21日14時30分から15時30分までの約1時間、ミニステージにて、フラダンスサークルPilialohaの公演が行われた。
前の団体の公演延長という思わぬハプニングがあったものの、当初の開演予定時刻である14時にはすでに大勢の人が訪れ、Pilialohaの出番を今か今かと待っていた。ようやく、色とりどりの衣装をまとったPilialohaのメンバーが登場すると、会場からは歓声が上がり、カメラを構える人も見られた。
メンバーによる、“Aloha”の挨拶で公演スタート。1曲目の「Aloha E Komo Mai」はウクレレの演奏だ。ウクレレは三田祭ならではのパフォーマンスで、ステージ上に並んだメンバーが左右に揺れながらメロディを紡いでいく。
Pilialohaのメンバーの1人、文学部3年の坂本晴菜さんが、「Pilialohaが目指しているのは、一人でも多くの人に、暖かい気持ちになってもらうこと」と言うように、ダンサーたちの笑顔と、心地よい音楽に冒頭から惹きつけられる。
2曲目の「Naka Pueo」は舞台下にまでメンバーが並び、速いテンポで進む。曲の中から、時々掛け声が聞こえて来て、ステージの彩りが増していく。
3曲目は「私の友達」を意味する「Ku‘u Hoaloha」。エメラルドグリーンの衣装で登場し、指先まで揃った一糸乱れぬ舞を披露した。
4曲目は「Koali」。時々手拍子が入り、華やかな曲だ。ピンクの衣装に白いレイがよく映えていた。
5曲目の「Pua Lililehua」はゆったりとした音楽であるが、腰や目の動かし方・表情までメンバーの息がぴったり合っていて、かなりレベルが高い。
6曲目の「Hawai’i No E ka‘Oi」が始まると、急に雰囲気が変化。プイリと呼ばれる竹の楽器を鳴らしながら、激しい動きを繰り返す独特の踊りで、スカートがふわっと広がるさまは、南国の風を思わせる。
7曲目の「Aloha O‘ahu」はオアフ島の明るくて楽しい様子を歌った曲。緩急がはっきりしており、手の振り付けは、何かを食べる動作のようなものまで、バラエティーに富んでいた。
8曲目の「Ka Nohona Pili Kai」は日本の有名な歌「涙そうそう」からインスピレーションを得て作られた曲で、どこか懐かしい印象だ。
9曲目は、ウリウリという音の鳴る楽器を使って踊る「Ta Ha Ua」。ウリウリは花をあしらったマラカスのようで、観客を元気にさせてくれる。
10曲目の「Pua Kiele」は白く美しいドレスが特徴。一般的なフラダンスとは異なるラブソングのメロディに合わせて感情たっぷりな舞を披露した。
11曲目の「Kaimana Hila」、12曲目の「Ka Uluwehi O Ke Kai」ではステージ上にたくさんにメンバーが集結。法学部3年の井上真帆さんは、「大人数で踊るのがフラダンスの魅力でもある。メンバーが舞台いっぱいに広がる、最後の2曲は特に見どころ」と口にする。華やかな余韻が残る中、Pilialohaのステージは終演した。
雨上がりのキャンパスに、ほんのり温かさをもたらしたPilialohaのフラダンス。坂本さんは、「コロナ禍でイベントが少ない中、3年生もここまで大勢の人に披露するのは初めて。三田祭の公演を目標に気持ちを結集できた」と話す。
三田祭最終日の23日には、メインステージでの公演を控えている。井上さんは、「メインステージは「若き血」から始まる慶大ならではの公演。より多くの方に暖かいハワイの雰囲気を届けたい」と抱負を語った。
(菊地愛佳)