差し迫る2022年三田祭。今年は来場者数も2万人/日まで増え、塾生以外の訪問も可能になった。ますますの盛り上がりが期待でき、各サークルの三田祭に向けての準備にも熱が入る。そんな三田祭の中核を担うのが三田祭実行委員一般企画局で局長を務める、柳沢優佳さん(文学部4年)に話を聞いた。
一般企画局ではどのような仕事をしますか?
三田祭に出店してくださる団体や企画の運営、全てのサポートを行います。その他三田祭全体の細々としたサポートも担っている、三田祭の超土台と言える存在です。その分業務量は膨大なので、4つある局の中で一番人数の多い局です。
一般企画局を選び、局長にも立候補した理由は?
そもそも三田祭実行委員に入った理由は、中高とダンスをしていて表に立つ人間だったので、大学では表に立つ人をサポートする側に回りたいと思ったからです。そんな仕事を一番できるのが一般企画局だと思い、この局に入りました。
三田祭実行委員は2年生の冬の選挙で局長補佐が決まり、そのまま局長補佐が4年次に局長になります。実働代(実際に様々な業務を中心となって担う代)の2年生の時、コロナの影響でやりたかったことができなくなって悔しい思いをした当時の経験から、混乱している状態を引っ張れる人になりたいと思い、局長に立候補しました。
一般企画局は4つの局の中で一番人数の多い局だと聞きましたが、大所帯をまとめる苦悩などはありましたか?
全体で49人所属していて、5つにパートが分かれています。それぞれのパート内での結びつきは強いのですが、パートの壁を超えた全体での関係性をいかに濃くするかという点には苦労しました。コロナ禍で宿泊や飲食を伴った行事の開催が難しい中で、局員のプライベートにどこまで介入できるかは悩みどころでしたね、無理やり引き込むものでもないし。業務上のやりとりを親しみやすくしたり、偶然後輩に会った時、自分から積極的にコミュニケーションを取りにいったりすることを意識していました。
女性局長としての悩みや業務を進める上での難しさはありましたか?
やっぱり体力も違うし、女性としての関わり方にも悩むことはありましたね…。でも局員皆自立していて、それぞれの仕事をちゃんとやってくれて助けられてばかりだったので困ったことはありませんでした。
局同士の垣根を超えたコミュニケーションの難しさはいかがでしたか?
一般企画局は他の局を支えることも仕事の一つなんですが、「何か困ったことがあったらとりあえずパンキ(一般企画局)に聞こう」みたいな雰囲気があったので、お互い思いやりの気持ちを持とうねっていうのはこの間の全体の会議で話しました。
今年の一般企画局のスローガンは「礎だけじゃない」なんです。去年のスローガンが「礎」だったので、それを進化させました(笑)。去年はオンラインからの復活の年だったから基盤をちゃんと作ろう、礎をもう一度、みたいな意味合いがあったと思うんですけど、今年は来場者も増えるので、基盤となる局って役割から発展していけたらいいなと。今まで受け身の姿勢が強い局でしたが、今年は自分たちから積極的に動き出して、お互いに手を伸ばしあって尊重しあおうよって気持ちでやっています。実際できているかは不安ですが、とにかく何か残せたらいいなって思いながら毎日やっています。
準備期間で苦労したことを教えてください。
今は一団体一団体全てと個別面談を行っていて、フォームを全て回答してもらって、確認作業を行なっています。この回答が出揃ってからが一番忙しくなるので、多分今から(取材当時・10月中旬)が本当に正念場だなあって感じですね。
昨年度と変わったところを含む今年の三田祭の見どころを教えてください。また、今後の三田祭の展望についてお聞かせください!
まだまだ規模は小さいですが内容はほとんどコロナ前に戻っています。去年までできなかった飲食物を作って販売するというのも解禁されるし、キャンパス内で飲食を自由にしている人を見ることができるっていうのは大きな変化ですね。あとは各団体の企画とかゲストが豪華なのでそれも楽しみにしていてください。…うーんでも結局全部見どころです(笑)今年は塾生に限らず一般のお客さんも来場されるので、キャンパス内に人がたくさんいる様子を見られることを楽しみにしています!
やれることの幅が広がった分一般企画局の業務の幅も広がったので、LINE@を用いた実行委員会内でのサポートシステムの整備だったり、団体に渡す資料の簡略化だったりの改善を新たに行いました!
後世に望むこととしては、今までの三田祭をきちんと守りつつも、何か新しいことに一歩挑戦する勇気と、その挑戦によってどんなリスクが生じて、そのリスクをどう管理するかみたいなことを考えられる冷静さを持ち合わせて、革新を起こしてくれたらいいなあと思います。
ここまで一緒に進んできた同期の皆様と局員に何か伝えたいことはありますか?
同期か、そうだなあ(笑)。私たちの場合は61回で見たものを自分たちも作れると思っていたのにコロナでダメになっちゃって、こういうふうになりたいと思っていたのと全然違うところに来ている人とか、こんなんじゃなかったはずなのになぁみたいに思っている人とも多分中にはいると思います。でも、三田実っていう団体にこれまで属してきて、この4日間のお祭りのためにみんなで力を合わせてやってきたから、最後までみんなと一緒に三田祭を作り上げたいし後夜祭を見て泣きたいです!
局員は本当にいつもありがとうに尽きるんですけど、みんながいなければ三田祭はできないから自分たちがやっている仕事にすごく誇りを持ってほしい。辛い時とか限界が来たときはいつでも話聞くからLINEしてね!本部で笑顔で待ってます!
最後に2022三田祭への意気込みと慶大生へのメッセージをお願いします!
コロナ禍で2年間、61回まで続いてきた三田祭ができなかった中で、今回は61回までと同等の三田実ができると思っています。しかし、61回に戻ることが目標ではなく、今年の64回が今までの64年間の歴史の中で一番いいものであればいいと思っているので、61回に戻るっていう考え方ではなく、今回がベストになるように、運営面も昨年の反省を生かしながらできるだけスムーズに問題が起こらないように、全体全企画をサポートしていきたいです。最高の64回にします!
慶大生は、僭越ながらって感じなんですけど、1日2時間でもいいから足を運んでメインステージに出てる友達を見るとか、何か食べるとか、音楽を聴くとか、少しでも足を運んでくれたら嬉しいです!
柳沢さんは、とにかく明るくて、とにかくアツかった。この明るさとアツさが日本一の学園祭と呼ばれる三田祭を率いているのだろうとしみじみと感じた。一般企画局は縁の下の力持ちだけじゃない。各局が力を合わせて、2022年が最高の三田祭になることを期待している。
(小島毬)