Q.1 法学部の一般入試はどんな入試?
法学部の試験は法律学科、政治学科で共通です。外国語200点(80分)、地理歴史100点(60分)、論述力100点(90分)の計400点満点で判断されます。
外国語科目ではおおよそ大問4~5題、発音問題、誤文訂正、会話文、長文読解がバランスよく出題されます。全問マーク式ではありますが、高度な単語力と知識、読解力が要求されるため、対策に最も時間を割く必要があるでしょう。
地理歴史科目では日本史と世界史のどちらか一方を出願時に選択して受験します。リード文や引用試料中の空欄補充問題、その下線部に関連した誤文訂正、年代配列問題から構成されています。こちらも全問マーク式ではありますが、教科書以上の情報を問うものも多く、正確な知識が要求されます。
論述力科目では3000~4000字の課題文を読んだ上で、1000字の意見論述が求められます。例年1000字のうち400字は課題文要約であり、読解力のみならず理解力、構成力や表現力といった多岐にわたる技能を試される問題です。
外国語、地理歴史の点数が一定水準に満たない場合は論述力の採点を行わないとあらかじめ示されているように、先の2科目に対する比重が極めて高い点は注目すべきでしょう。差がつきにくい地理歴史に対し、英語科目を安定した得点源にできるかどうかが鍵を握ります。
Q.2 どうして慶大の法学部の一般入試を受けようと思ったのか?
当時、将来について明確なビジョンを持てぬまま進路を考える段になりましたが、社会についての見識を学問的に深めたいとぼんやりと思っていたので人文科学系や社会学系の学部を。そして、器用とはいえない自らの性格を加味し、英語、国語、日本史の3科目に絞った学習で受験可能な大学を受けようと決めたことがきっかけで本格的に慶應義塾大学を視野に入れ始めました。父が当校の出身であったことも大きいかもしれません。正直な目標は幼少から憧れていた「慶大に行くこと」で、この時点では法学部に特別な思い入れはなく、本番でも文学部と法学部の両方を受験しました。
Q.3 法学部の一般入試を受けるにあたって、どんな受験計画を立てたのか?
基本的には問題を解く、分析をする、苦手を組み込むよう計画を修正する、の繰り返しです。
闇雲に取り組むのではなく、合格に対し自分の現在地を客観的に把握できるよう月ごとの目標、1週間の目標、1日の目標を立て実行していました。あらかじめゴール地点を決めておくことによって、日々の調子や気持ちに左右されず、淡々と目の前のタスクをこなすことが出来ていたと思います。
Q.4 受験勉強中に愛用していて、おすすめのテキストは?
英語はとにかく高い単語力が欲しかったこと、あわよくば資格も合格して受験を有利に勧めたかったこともあり、1年間を通して英検準1級の単語帳を使い続けました。基礎的な単語が身についている前提ですが、決して簡単ではない慶大の長文読解もこれでかなり対応できるようになると思います。
Q.5 受験生時代の1日のスケジュールは?
(平日) 起床7:00 勉強 登校8:00 帰宅16:30 お風呂 勉強17:00
夕飯18:00 勉強19:00~23:00 就寝
(休日) 起床7:00 勉強8:00~12:00 昼食 勉強13:00~18:00
夕飯 お風呂 勉強20:00~23:00 就寝
Q.6 受験中のモチベーションの保ち方について教えてください。
私個人としては、どうしても慶大に行きたいという気持ちが強かったので、上手くいかずに不安になることはあれ、モチベーションが保てなくなるようなことはあまり無かったです。思えば上記のようにスケジュールを固定させて、自分自身で納得いく勉強時間の確保を前提に自由時間を謳歌していたことが大きかったのかもしれません。やるべきことはやる。好きなことも思いっきり楽しむ!
Q.7 法学部の一般入試を経験して、どんな人が合格しやすいと感じたか?
英語ができる人はやはり強いと思います。配点からして圧倒的に重視されていることも事実ですが、慶大を目指すようなレベルになってくると、究極的には知識を問う地歴は差がつきにくい。慶大法学部の英語は、過去の出題形式がランダムに繰り返されているので、遡って対策をすればするほど周りと差をつけることが可能です。一定の基礎力を身に着けた後は、過去問を徹底的に研究し対策に励んでほしいと思います。
Q.8 法学部生のクラスや授業はどのような雰囲気か?
私の所属する法律学科は、1,2年次の必修授業が多いのが特徴的です。大教室で行われる大半の授業は出席をとらず、1度の試験ですべての成績がつけられる場合がほとんどであるため、試験の前はとても苦労しています。将来的に司法試験を視野に入れている人も少なくない分、学科としては比較的落ち着いた雰囲気だと思います。
Q.9 法学部生のサークル事情について教えてください。
勿論個人の趣味に合ったサークルに所属する人も多くいますが、法律の学習を目的とする法律系サークルに所属する人が一定数いるのも慶大法学部ならではの特色でしょうか。
Q.10 受験中や合格後の大学生活を総合的に考えた上で、慶大の法学部一般入試のメリット・デメリットを教えてください。
上述のように慶大の法学部受験には国語が必要ありません。その代わりに小論文というやや特殊な対策を要する科目が設定されていることで、国公立を第一志望とする受験者にとってはハードルが上がり、他の私立大学に比べてある程度志望者が絞られるため、私立文系受験生にとっては狙い目ではないでしょうか。
デメリットは特に感じたことがありません。
Q.11 最後に、法学部一般入試で合格を目指す受験生にメッセージをお願いします。
入試まで残り半年を切り、各々不安や焦りを抱えていることと思います。どれだけ途方もない回り道に見えても、目の前の課題を淡々とこなすことが一番の近道です。自分をいかに客観的に判断し、目標に導くかが合格の鍵になってくると思います。奢ることなく、されど過小評価することなく実直に励んでください。心から応援しています。
(松岡優月)