今月18日(土)、横須賀芸術劇場にて六大学の応援団、應援指導部が集結する「六旗の下に」が開催された。應援指導部の新体制発表後、初めての表舞台となる。

應援指導部は今回、六大学のトップバッターを務めた。マイクと呼ばれる司会進行とともに塾旗の掲揚が行われたのち、「塾歌」の斉唱・応援歌「若き血」でのパフォーマンス・今回のステージ限定のチャンスパターンメドレーと進んだ。

まるで明治神宮球場にいるかのような熱のこもったパフォーマンスにあっという間に引き込まれた。

今回の應援指導部のパフォーマンスについて、「これまでの伝統とは異なる画期的な挑戦が多い」と応援企画責任者を務める乃坂龍誠(法4)さんは語る。従来の応援団では、応援指揮はもちろん、塾旗の掲揚などもすべて男性が行っていた。しかし、今回は司会進行を務めるマイク、塾旗の掲揚、応援指揮のすべてを女性が執り行う。

「應援指導部が新体制になったこともあり、同部での取り組みが、他大学での先例となれば嬉しい」と乃坂さんは語った。

 

また、慶應塾生新聞会では今回の「六旗の下に」でマイク、応援指揮、旗手を務めた3名に話を聞いた。

 

マイク・Kさん(文2)

――この舞台に対する意気込みや、想いを教えてください

マイク人員をチアリーディング部が行うということが初めてで、前例がない分、どうやって行っていくかがこれからにつながるという想いを常に持って、真摯に取り組みたいと思っています。

 

――慶大の應援指導部では近年新しいことに挑戦する姿勢が伺えますが、それに関してはどうお考えですか?

同期や憧れのチアリーディング部の先輩方が違った形で活躍されているというのはいつ見ても感銘を受けるものですし、それと同時に私も頑張ろうと陰ながら思わされています。

 

――今回の舞台の感想を教えてください。

影アナではなく、舞台上でアナウンスをするので、舞台の様子が見えない中での進行となり、後ろにいる部員とのタイミング合わせが大変でした。一方で、部員が後ろにいてくれるということで安心感もありました。

 

――抑揚面で他大学と違う点についてお聞かせください。

他大学と違う一面として慶應らしさ、慶應の力強さを私が体現出来たらいいなという心持でいるのですが、それができているかは少々不安なところがあります。

 

――一番今回の舞台に向けた練習の中で大変だったことは何ですか?

今回のステージが全文暗記なんですよ。全文暗記という未知の世界なので、覚えるのが大変でした。原稿を頂いてから毎日練習しているのですが、難しかったです。

 

――大変なこともたくさんあると思いますが、逆にやりがいを感じるのはどのような時ですか?

部員の前で披露した時にお褒めの言葉を頂いたり、自分の声で演奏が始まるのが嬉しくて、練習の成果を出せたときはやりがいを感じますね。

 

――これまでにマイクの経験はありましたか?

ありましたが、今回のような「慶應義塾の学生」として行うというのは初めてです。なので、應援指導部を背負っているんだというプレッシャーはいい意味で、ひしひしと感じています。

 

――普段の応援の時と今回の公演とでは、同じマイクでも違った心境はありますか?

ありますね。本日に至っては、やはり應援指導部の代表として喋らせて頂いているというのがすごく大きいので緊張しますね。

 

―ほかの大学と違ってここが應援指導部の強みだなと思うところはありますか?

應援指導部に限った話ではないのですが、慶應義塾の強みとして「先駆者」というワードがよく出てくると思います。部活としても、他大学だけではなく日本の先駆けをする存在になりたいという意向があります。女性が司会をするというのはその先駆けにもなるのではないかと思っています。

 

――先駆者として應援指導部が変化していく中で感じた“良さ”はどのようなものがありますか?

私は新しくなった應援指導部で育ってきて、以前の應援指導部をあまり知らないのですが、お聞ききした話より上下の関係がいい意味でより濃いものになっていると感じることがあり、その点ではとてもありがたいなと感じています。「下級生」「一年生」などと括った接し方ではなくて、ひとりひとりを見て、寄り添ってくださる環境だなと思っております。

 

――今回の舞台の見どころはどのようなところでしょうか。

應援指導部は皆様にいろんな形でお見せすることがあると思います。しかし、今回の「六旗の下に」は、六大学の応援団が集うという特別な場だと感じていて、普段とは違う緊張感があります。そこも楽しんで頂きたいという気持ちが部員の一員としてありますね。

 

――普段の競技を応援するのと今回の舞台とでの心境の違いをお聞かせください

応援させて頂く時はもちろん「勝って欲しい」とか「応援したい」とか、そういう気持ちがあって応援に行きますが、今回のような應援指導部やチアリーディング部が表方として立つ場面ではさまざまな方への日々の感謝を全員が心に留めて挑んでいます。ですから、本日はそのような感謝も伝えたいです。

 

――マイクの魅力は何だとお考えですか?

一人しかいない立場ということに意味を感じています。確かにマイクの仕事は話すことしかないのですが、その場の雰囲気を作り、部員の気持ち高めるということはマイクにしかできないと思います。また、今回舞台上でお話する内容はどこも切り取れないぐらい全部大事な情報です。「若き血」や「塾歌」など曲や、應援指導部にとっても慶應義塾にとっても意味のあるものをお話する時は、間とか声の高さなど、抑揚とはまた違った形で内容を強調できるように心がけています。

 

Kさん




応援指揮・Jさん(法2)

――今回のステージでの役割は?

今回は、応援指揮という指揮を壇上で振る役割を担当させていただきました。

 

――今回のステージで見て欲しいポイント

今回のステージは、とても洗練された慶應の應援指導部らしさが全面に出たステージです。チアリーディング部のダンスと吹奏楽団の音が合わさってひとつになった迫力のある演技など、應援指導部の魅力がぎゅっと詰まっています。今まで行ってきた応援活動のいいところどりのステージです。

 

特に注目して欲しいのはチャンスパターンメドレーですね。慶大が昔からずっと使ってきた曲目がメドレーになっていて、神宮球場の興奮が再現されたステージになっています。個人的も一番好きなポイントです。

 

――なぜ應援指導部に入ろうと思ったのですか

新歓活動の中で、應援指導部の活動を知り、そこで見た写真や動画に映る應援指導部の先輩方の笑顔に惹かれました。「こんなに笑顔で人のことを応援できる部活があるんだ」と感動し、入ることを決めました。

 

――今回のステージを経ていかがでしたか

すごく目立つ役割ということもあり、とても緊張しました。

 

――意気込み

格式高く、伝統のある応援指揮に憧れ、その機会があるならぜひ自分もやってみたいと思い、自ら立候補しました。曲目も構成もすごく素敵な伝統のあるステージになっています。自分自身もとても楽しみにしていたし、すごく素敵な場所に立たせていただいてるなと実感しています。色んな人に感謝して全力で務めたいです。

Jさん




旗手・Gさん(法3)

――應援指導部に入ったきっかけは?

大学では何かしら4年間熱中するものが欲しいと思っていて、應援指導部の自分が応援することで何かを伝えられるというところに魅力を感じ入部しました。

 

――旗手をやることが決まった時は?

最初2年生の時に募集がかかって、一つ上の先輩がやっているのを見て憧れを持ち、興味本位で同期と立候補しました。今後いつできるのかも分からないし、後悔したくないという思いもありましたね。

 

――塾旗の上げ方は?

制服についているベルトの穴に塾旗の端をいれています。起礼の時が重くて大変なのですが、立っている分にはささっているので重くはありません。最初は軽いものでも難しかったのですが、最近は試合などで旗を上げる機会が多い分慣れてきました。

 

――旗手の難しい点はどこですか?

練習は時間も場所も限られているため大変ですが、塾旗の大きさが上がるにつれて達成感を得ることができています。先輩方が親身になってアドバイスをくださるため、それを一つ一つ意識しながら練習するようにしています。

 

――工夫した点は?

自分は上手で塾旗を上げているのですが、下手で一緒に上げる同期と目配せをしながらタイミングを合わせる工夫をしました。その同期とは高校からの付き合いであるため、切磋琢磨しながら意見を出しあいました。

 

――チアと旗手の両立についてはいかがですか

練習が主に土曜日と日曜日にあり、午前はチアリーディングの練習を行い、午後は旗手の練習をしています。

 

――緊張はされますか?

緊張すると口では言いますが、本番は大丈夫なタイプです。本番は無になって乗り切ります。

 

――意気込み

女性が旗手を務めるという新体制の中で、慶應の代表としてしっかりと役割を果たさなければいけないという思いもありますし、この新体制が慶應から他大学へとつながっていければ良いと思っています。

Gさん

新体制となった應援指導部。今後の彼女たちの活躍にも注目したい。

 

(加藤萌恵、丸山晶、宮本紗耶佳、山田陶子)