「鉄は熱いうちに打て」。これは就活も同様だ。就活ルールとは経団連が定めている、経団連のメンバー企業が守らなければならない規則だ。 しかし、現行の同ルールは形骸化しているとの声も多い。このため政府が2021年以降、新たなルール作りを主導する事となり、25年卒からインターンシップ選考採用が利用される点を含む、就活ルールの改訂方針が公表された。これは採用に直結するインターンが初めて公認されたという点で画期的である。
これによって、24年卒(今年度3年生)にも影響がある 。インターン採用は事実上夏インターンから就活が始まり、就活の早期化が進んでいる事を物語る。
そもそもインターンとは何のためにあるのか。これは在学中に実際に現場で働き、体験する事で仕事に対するイメージを持ちやすくし、就職後の企業とのミスマッチを予防するためでもある。また、企業にも、インターン参加者の中で優秀者がいないか、面接だけではなく日常的に人物評価が出来るメリットがある。
では、このような状況に対応するため我々は何が出来るのか。なるべく多くのインターンに参加し自分の可能性を高めるとともに、そこで実践的な力を身につける必要がある。コロナ禍でオンラインでのインターンも増えてきた。本来のインターンの醍醐味でもあるリアルな体験が出来ないデメリットがある一方、時間の有効活用によって従来よりも多くの経験を積む事が出来るメリットもあるであろう。
「鉄は熱いうちに打て」との言葉通り、企業は優秀な学生を若い時から育てる目的を叶える手段として、また就活生は企業文化や活動をリアルに体験できる機会として、インターンへの参加を一層積極的に捉えたい。しかし、無論、インターンへの参加に関心を高めるあまり、本分であるはずの大学での勉強が疎かになるのは本末転倒である。学業と就活とのバランスを上手くはかり、充実した大学生活を送る事が求められる。
(斉藤陽)