7年振りの関東大学リーグ戦1部での戦いを5位という好成績で終えたソッカー部。主将として部を支え続けた中川靖章選手(総4)と来季の主将就任が決定した三上佳貴選手(法3)に、心の内を赤裸々に語ってもらった。 (聞き手は井上史隆・丸山康平)
――まず今季を振り返っての感想をお願いします。
中川 「1部昇格は入学当初からの目標であり、チーム総じての悲願であったので、嬉しさとやってやろうという気持を持って臨んだ。自分たちのサッカーが通じたので、個人としては充実したシーズンを送れた」
三上 「悔しい思いをしてきた先輩の存在は考えたが、7年振りというのはあまり意識しなかった。自分たちのスタイルが通用した部分が多くて非常に充実した1年だった」
――インカレ出場の目標が果たせませんでしたが。
中川 「主将という立場上、責任と悔しさを感じた。一方で、外部から慶應のサッカーを高く評価してもらった部分もあった」
三上 「非常に悔しい思いで一杯。結果に貢献できずに責任を感じている」
――今季で得られたことは何ですか。
中川 「1部で戦う上で足りない部分がわかったため、古豪復活のための土台となったのではないか」
三上 「一瞬の隙が失点に繋がり、自分たちの甘さを痛感した試合が多くあった」
――体育会で過ごして自分自身が変わった部分はありますか。
三上 「自立しなくてはならないという意識。高校までは監督などがやってくれた部分を学生主体でやっていくので、チームのマネージメントも考えていかないといけない」
中川 「柔軟性と自立すること。物事に対して責任を持って取り組まないといけないため、人間としての素養が広がった。また、体育会という繋がりから様々な人の経験を聞くことができ、視野が広がった」
今季の悔しさをバネに日本一へ
――主将とはどういう存在だと考えていますか。
中川 「リーダーとマネージャーの2つの要素を持って取り組む人」
三上 「チームの指針となるため、ぶれてはいけないというイメージ」
――主将を務めたことによる自身の変化はありましたか。
中川 「体育会=組織であり、そのトップをやることによってチームを俯瞰することや物事を斜めに見ることができるため、自分の価値観が養われていく。また、以前はチーム内しか見れなかったが、大学サッカー全体などを大きな目線で見ることができるようになり、それは将来というよりも一人の人間として成長できた」
――大学サッカーの注目度が低いことについてどう感じていますか。
中川 「現状には満足していないし、改善するべき。技術的なレベルアップがあっても、運営の基盤を充実していかなければ大学サッカーの進歩にはつながらない」
――ずはり来季の目標は。
三上 「日本一。今季の経験をいい方向へ生かしていけば可能性はゼロではない。ただ去年できたことを勘違いして過信してはならない。日本一という目標を掲げながらもしっかりと地に足付けて戦っていく」
――最後に後輩へのメッセージをお願いします。
中川 「自分たちがやらなくてはという危機感を持っているので本当に頼もしい限り。個人的には目標云々よりも、大学生活を投資して、自分が定めた目標に向かって一生懸命努力する、目標に向かって苦しんで、それを超えて目標を達成することを喜ぶことができれば最高だと思う。どのような結果であれ、伝統を守ってもっと成長していく集団になっていくように頑張って欲しい」