裁判員のこころの問題を議論
認知心理学のフロンティア公開シンポジウムⅠ「裁判長、直感で決めてもいいですか?」が先月16日、三田キャンパス北館ホールで開かれた。
「裁判員裁判における理性と感性」をテーマとしたこのシンポジウムは、日本認知心理学会と慶應義塾大学グローバルCOEが共催。文学部の伊東裕司教授が企画・司会を務めた。
大学教授や法曹関係者など6人が登壇し、裁判員の心理や合理的判断に関する研究、刑事実務の立場から見た現場の心理学的分析の必要性などについて発表した。裁判員が被害者の写真を見て感情的になる、メディアなど証拠以外の情報に翻弄されて直感に走る、といった様々な懸念が示された。
発表後、裁判員の適切な判断・公平な裁判の実現のために何が必要なのか、登壇者が活発に意見を交わした。
伊東教授は、「認知心理学の面白さを一般の人にも広めたいと思い、今回のシンポジウムを企画した。裁判員のこころの問題について日本でも研究が進んでいて、多くの議論が展開されていることを知ってほしい」と語った。