コスト上げず性能向上へ
慶大発のベンチャー企業であるSIM‐Drive社は1月22日、インホイールモーター型電気自動車(EV)の試作車を産公共同で開発すると発表した。2013年の大量生産を目指す。
既存のEVは内燃機関自動車のエンジン部をモーターに入れ替えただけであった。SIM‐Drive社のEVはモーターをホイール内に設置することで大幅に効率を上昇させている。これにより最大で30%の航続距離向上が期待できるという。
また、床下に中空状の強固なフレームを設け、このフレーム内に電池その他の主要部品を挿入する。このコンポーネントビルトインフレームと呼ばれる技術の採用により、車体の軽量化や、低重心化による走行性能の上昇が実現。車体と社内空間設計の制約がなくなることにより、デザインの自由化も可能となる。
インホイールモーター、コンポーネントビルトインフレームの2つの技術を用いることで、従来車並のコストでより性能の良いEVが誕生すると期待される。
今回の発表で、SIM‐Drive社の代表取締役を務める清水浩・環境情報学部教授は「今後は太陽エネルギー、特に太陽電池を利用することが重要だ。重要なのはすでに技術は存在していること。特に進んでいる日本の技術をいかに広めるかの研究が必要だ」と環境問題に対して今後のあり方を語った。