サークルの枠を越え、等身大で挑む旗揚げ公演

公演を控え、稽古にも熱がこもる
公演を控え、稽古にも熱がこもる

この春旗揚げ公演を迎える「劇団ナウでヤング」。「物語ることを問い直す」を理念として掲げ、主宰、そして脚本、音響の和泉伸吾さん(文4)をはじめ、メンバーのほとんどが塾生で構成された劇団である。
元々演劇研究会に所属し、脚本を担当してきた和泉さん。大学卒業を控え、「卒業公演」として終わらせたくないとの思いから、演出を手がける相羽崇史さん(商4)と共に、サークルの枠を越えた劇団を立ち上げた。
和泉さんと相羽さんは、これまで日吉でのHAPP企画等で幾度もタッグを組んでいる。「自分の書く脚本は全て彼(相羽さん)に託したい」、「ここまで上手い本を書く人はなかなかいない」とお互いのことを話すように、二人の信頼関係は抜群である。
「演劇は古くからあり、時代遅れのメディアだが、お客さんとの距離が近い」と和泉さんは語る。「加えて、ビジネスから離れたところで好きなことをできるのが小劇場の良さ。等身大で頑張りたい」
稽古中、さらりと面白い発言でみんなの笑いを誘っていた相羽さん。笑いを引き出すことで、リラックスさせようという配慮からである。「見所の一つがキャストのアドリブシーン。2回、3回来られる方にも楽しんでもらいたい」と、演技そのものの面白さを追求する。

「物語ることを問い直す」

そんな二人の演劇に対する姿勢は後輩にも良い刺激を与えている。「尊敬する先輩方が立ち上げる劇団ならば、ぜひとも関わりたかった」と話すのは、今回ムードメーカーの役柄を演じる田中ありすさん(文1)。彼女は大学に入ってから演劇をはじめた初心者であるが、二人の熱意に触発され、劇団への参加を決意した。
キャストだけでなく、「芝居はお客さんに見せないとはじまらない」と裏方の意欲も高い。制作の辻奈緒理さん(理3)は「和泉さんと相羽さんの作品に2回ほど携わってきたが、非常に魅力を感じた。旗揚げ公演にも、ついていこうとためらうことなく思えた」と話す。
団員が口を揃えて「メンバーが好き」と言うように、仲の良さは稽古の雰囲気からも窺い知れるが、それだけでなく、モチベーションの高さにも驚かされる。田村由一さん(法4)は「『演じている』や『観られている』では嘘になってしまう。あくまでもそこ(舞台)に生きているキャラクターであること。今回に限らず、社会人になっても、このテーマに挑戦し続けたい」と、演劇へのこだわりを見せる。
旗揚げ公演『ミラクル・アドエージェンシー』は、3月12日から14日、新宿シアター・ミラクルで上演。料金は事前予約で1500円。予約した上で本紙を持参すると1200円の割引特典となる。
お問い合わせは080-6564-9282(ツジ)またはnow_de_young@infoseek.jp
(入澤綾子)

▼告知

劇団ナウでヤング 旗揚げ公演
「ミラクル・アドエージェンシー」
期間:
2010年3月12日(金)
~14日(日)
会場:新宿シアター・ミラクル
出演:
岩瀬光平、臼井美紗、永川謙 他
脚本:和泉伸吾
演出:相羽タカフミ
料金:
当日/1800円
予約/1500円
予約+本紙持参/1200円

※WEBページの印刷紙は、不可。