今年の春から福岡ソフトバンクホークスに入団される正木智也さん(政4)に慶大に入ったきっかけや魅力などをインタビューしました。そして、もうすぐ受験を迎える受験生の皆さんへ、努力を続ける秘訣や壁にぶつかった時の乗り越え方、さらに応援メッセージをお届けします。
――(高校から)慶應義塾に入ったきっかけはなんですか
慶大に通っていた兄から自由な校風が良いと聞いていました。また、早慶戦をテレビで見ていて、慶大で野球をやりたいと思ったからです。
――慶應義塾高校で印象に残っていることはありますか
勉強がとても大変でした。推薦で入ったのですが、スポーツクラスなどもなかったので、野球部の練習に週6で取り組みながら、勉強についていくのが大変だったなと思い出します。
――慶應義塾高校と慶大の野球部の違いはなんだと思いますか
慶大の野球部は自分で考えて行動することが求められます。また、高校より大学の方がいろいろな境遇の人がいたので一緒にプレーしていて、面白みがありました。
――慶大の良いところはどこだと思いますか
つながりが強いところです。三田会を含め縦のつながりはもちろんのこと、横のつながりも強いと感じています。多様なバックグラウンドを持つ人が集まる中で、友達の友達でつながることができたりと、どんどん人脈を広げられる大学だと思います。
――慶大での1番の思い出を教えてください。
昨年の春の全国大会でのリーグ戦優勝、そしてその後の全国大会で優勝して、日本1を獲ったことです。やはり自分たちの代での初めてのリーグ戦、そして全国大会だったのでそこで優勝できたことは自信にもなりましたし、とても嬉しかったので印象に残っています。
――体育会野球部と学生生活の両立はいかがでしたか
テスト期間などは両立の難しさを感じたこともありました。ですが、自分を含め、他の野球部員も勉強を怠る人はいなかったです。なので、勉強に対してはそこまで苦しまなかったですね。
――今年からプロ入りですが、今のお気持ちはいかがですか
期待2に対して不安が8で、不安の方が全然大きいです。いろいろな方からプロはピッチャーの球がそれまでとは全然違うと聞きますし、自分で見ていてもレベルの高さをすごく感じているので、そこに対しては期待というよりも不安が大きいですね。
――勝負時のルーティンはありますか
ルーティンは特にありません。「ここ一番」という勝負の場面では、「ここで打ったら英雄だな」とか先のことを考えずに、目の前の一球・場面にとにかく集中することを意識しています。
――慶大では、早慶戦など「ここ一番」という場面をたくさん経験されたと思います。そんなとき緊張はされますか
もちろん緊張はしますが、緊張することは悪いことではないと思っています。緊張するからこそ集中できるので、良いことだと捉えるようにしています。
――壁にぶつかったとき、そしてその壁の乗り越え方を教えてください
壁にぶつかることはよくありますが、今1つ思い出すのは、大学2年生の秋の全国大会ですね。自分の思うようなバッティングができなくて、自分の伸び代が感じられなくなってしまったんです。その時は今まで自分が貫いていたバッティングや理論を変えることを怖がらないようにしました。
自分の軸を持つことは大切だと思いますが、そこに固執しすぎに変える勇気も大切だなと思います。でも、ただ変えるのでなく自分の軸を貫く勇気も同時に持つようにしていました。
――努力を続ける秘訣を教えてください
成功した時のイメージを持つことです。成功した時に周りが喜ぶ姿、そしてその時の自分の姿、それらを感じるために辛いことも頑張るようにしています。
――尊敬する選手として大谷翔平選手を挙げられていましたが、どんなところを尊敬されていますか
大谷選手は今の野球選手の中で1番の選手だと思っています。ピッチャーとバッターの二刀流でメジャーに挑戦する勇気、そして実力だけでなく活躍するための努力をとても尊敬しています。
――入団予定の福岡ソフトバンクホークスの中で特に尊敬している方はいらっしゃいますか
柳田悠岐選手です。見ていて楽しいなと思えるバッティングをされていて、これだけ長年成績を残しているからです。またバッティングで人を魅了するという面でも目指している選手像です。
――もうすぐ慶大をご卒業ですが、残りの大学生活でやりたいことはなんですか
コロナ禍でなかなか会えなかった友達に会ったり、野球関係でこれまでお世話になった方への挨拶をしたいなと思っています。
――今年、慶大を受験する学生に向けてメッセージをお願いします
僕は野球部に入っていたのですが、慶應義塾大学は部活をするにも勉強するにも、どちらでも環境がとても整っています。皆さんもそんな慶應義塾大学に合格できるように、頑張ってください!
【プロフィール】
正木智也(まさき・ともや)さん
慶應義塾大学法学部政治学科4年生
元・慶應義塾体育会野球部
外野手・右投げ右打ち
福岡ソフトバンクホークスにドラフト2位で入団予定(’22~)・背番号31
(中田美砂)