11月23日、第63回三田祭が閉幕した。20日から4日間にわたって開催された三田祭は、2年振りの対面での実施。昨年度は新型コロナ流行により、オンラインでの開催を余儀なくされた。今年は感染者数が比較的落ち着いていたこと、ワクチン接種が進んだことなどを背景に、念願の対面での開催となった。大学生活が元の形を取り戻しつつあることへの安堵の声も多い。
もちろん、コロナ以前の形式に完全に戻った訳ではない。まず大きな違いは、入場がチケット制となったことだ。チケット制により一般来場者数が制限され、例年よりは静かな落ち着いた雰囲気となった。加えて会食に関する対策も取られた。飲食物の販売など各団体が出店する模擬店は例年より大幅に少ない。飲食は団体ごとに定められたスペースか、外部の飲食店を利用することに。またステージ出演者もマスクを着用、展示を行う団体は消毒液の設置が義務付けられるなど、徹底したコロナ対策が見受けられた。このような厳しい条件を一人一人が守っていたからこそ、皆が待ち望んだ対面開催がかなったといえる。
これまでと異なる部分もあったとはいえ、三田祭に向けて切磋琢磨する塾生たちの姿は変わらず眩しかった。彼らの三田祭を成功させるという熱い思いは、マスク越しでも確かに人々に伝わっていただろう。来年度は対面を増やすという方針の慶應義塾。次の第64回三田祭は、さらなる賑わいが期待される。
(三尾真子)