A:JR東海で働くことのやりがいについて教えてください。
鈴木:個人的な意見になりますが、JR東海で働くことのやりがいは二つあると思っています。一つは、自分の仕事に対してお客様や上司、同僚から感謝などの反応を直接受ける事ができるという点。もう一つは、自分の仕事を俯瞰してみた時に、自分はなんのために仕事をしているかというのが目に見えて分かる点。東海道新幹線と、それを利用してくださるお客様を見た時に、自分はこのために働いているのだということを実感する事ができるんです。この二つのやりがいが両方揃っているというのが、私が仕事を続けられている理由かなと思います。一点目はどんな仕事でも共通すると思う。でも、二点目は意外となかなかない、実際に働いて意識して探してみないとわからないところなのかなと思います。
稲永:私は採用担当として、学生の皆さんとお会いする機会も多いので、セミナーを聞いてくれていた学生さんに偶然選考の場で会ったときに、あれがきっかけで興味を持ちましたと言われたら、とても嬉しいと思えます。また、実際に当社が収益を上げているのは現場であって、そこをご利用くださるお客様を見たときも嬉しいですね。鈴木さんは総合職で、私はアソシエイト職に就いていて、どちらも主に非現業で働く職種なのですが、入社した後に現場研修に参加します。総合職は駅係員と新幹線の車掌さんを担当して、アソシエイト職は駅員を経験します。私は3ヶ月ほど、当社が提供しているサービスを使ってくださっているお客様に触れ合えて、とてもやりがいを感じました。
A:入社する前と後で、新幹線に乗る時の気持ちに変化はあったんでしょうか。
鈴木:変わりましたね。自分たちの作っているものだという意識とともに愛着がより湧きました。とてもいい質問ですね、初めてされたかも……。
櫻井:それはここにいる3人みんなが感じていると思います。有楽町で新幹線を見た時に、「仕事を思い出してしまう」と言いながら、今日もたくさんの人が乗ってくれているなと嬉しく思います。
A:JR東海への入社を希望する場合に、就活生は総合職とアソシエイト職のどちらかで悩むことになると思うのですが、お二人は入社時にそれぞれの職種を選ばれた理由がありますか。
鈴木:私の場合は、どの企業も基本的には総合職志望で受けていました。東京生まれ東京育ちということもあって、外の世界を知ることのできる会社がいいなと思ったんです。そもそも、漠然と日本に貢献したいなというイメージがあり、実は最初はメーカーを中心に受けていました。JR東海自体は三田キャンパスで秋頃にあった就活イベントで知っていましたが、就活の後半で改めて自分の視野を広げてみた時に、日本社会への貢献度が高く、世界に発信できるような高い技術力をもっており、自分自身が成長できるようなフィールドがあるという点でJR東海が自分の軸に合致していることに気がつきました。また、社員と話していくなかで、JR東海の社員には素の自分を出せていた。その素の自分を良いと言ってくれている会社だったので、自分の価値観を大事にしながら自分らしく働けると確信し、入社に至りました。
稲永:私はアソシエイト職はサポート業務や事務作業ばかりなのではないかと疑っていたんですけど、楽しい企画を立ち上げている社員さんにも出会って、イメージが大きく変わりました。事業内容にも共感できて、働き方もとても良いし、この会社で働けたら幸せだなと思い、入社を決めました。実際入ってみて、YouTubeを通した採用関連の発信活動の企画を任されたり、会社の代表としてセミナーでお話ししたり、多様で責任の重い役割を任される職種だと実感してます。
B:以前、JR東海さんの離職率が低いというお話を伺いました。それは先ほど伺ったような働き方の多様性だったり、やりがいだったりが大きく影響しているのでしょうか。
鈴木:まさにそうだと思います。私は個人的に離職の原因は、やりがいを感じていないか、環境的に働きにくいかのどちらかが大きいと思っていて、その両方が高い水準で満足感を得られるから、当社では離職率が低いのではないかなと思います。
櫻井:こうして仕事を楽しめるのは、やはり、「自分たちの提供する商品が好き」というのが前提としてあるからだと思います。ついこの間、WHO(世界保健機関)西太平洋事務局の事務局長を勤めた尾身茂さんの本を読んでいたら、その冒頭で、世界平和とか、公衆衛生とか、感染症撲滅だとか、そんな理念への憧れだけでWHOに来るのはやめた方がいい。仕事は好きでないと続かないから、と書いてあったのはとても印象的でした。コロナ禍の世界で1年半も国のために働いている尾身先生でさえそうなのだから、仕事を続ける上で「好き」という気持ちは大切なんじゃないかなと思います。たまたま僕らはJR東海でそれに出会えた。
鈴木:やりがいという点を掘り下げていくと、自分の価値観と会社の目指しているものがしっかり合致するかというのがベースにあることがわかります。
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