新型コロナウイルス感染拡大防止により、外出自粛や飲食店の営業時間短縮要請などが重なり、多くの飲食店が閉店となったり赤字経営になったりしている。そんな中、マクドナルドは黒字経営が続いている。そこでなぜマクドナルドは黒字経営を行うことができているのかという謎を解明すべくマクドナルドの広報部に話を聞いた。
新型コロナウイルスによって影響は受けたのか
コロナ禍でマクドナルドが黒字経営を行えている。とはいえ、やはり今までにない状況となり、少なからず変化はあったのかを問うと、「緊急事態宣言により店内利用中止やモール・フードコートの休業などで結果的に客数は大幅にマイナスにはなったが、2020年度は一定の業績は出せた。」と答える。また、店舗の立地やタイプによっては業績等に多少の差はあったが、全体で見るとそこまで違いはなかったと言う。
新型コロナウイルスに関しては、お客様・従業員の安全・安心を第一に政府や行政の方針に柔軟に対応しつつ、食を提供する社会的役割を果たすべく、どのように店舗営業を続けるかという点に注力していた。このような状況だからこそ、原点に立ち返ってお客様と向き合い、自分たちに期待されることやできることに取り組んでいたようだ。
どのように戦略を変えていたのか
お客様や従業員の安全・安心を第一に考え、様々なコロナウイルスへの対策や取り組みを行っていたと話す。お客様の声に耳を傾けるだけでなく、できる限り要望に応えることができるよう取り組んでいたようだ。
コロナ禍で生まれた接触を避けたいという要望に対し、「デリバリーで接触せずに商品をお届けするサービスの導入や、モバイルオーダーをして駐車場で商品を受け取るパーク&ゴーサービスの拡大を早めたり、ドライブスルーやデリバリー、モバイルオーダーなどのマクドナルドの強みとなる取り組みが、お客様の利便性の向上や安心感につながった」と担当者の方は考えている。これまで培っていた高いレベルのQSC&V(Q:品質 S:サービス C:清潔さ V:価値)といった基盤部分が強化できていたことも功を奏したようだ。
クルーにはこれまで実施していた一時間ごとの手洗いに加え、勤務前に検温と健康チェックを行ってもらい、健康に問題がないか確認することを徹底した。利用者同士のソーシャルディスタンス確保のために、注文カウンター前の立ち位置のステッカーや客席のついたて設置などを実施しており、テレビCMでもテイクアウトやドライブスルー、デリバリー利用を促す宣伝強化を行っている。
今後どのようにマーケティングを行っていくのか
利用者の声に耳を傾け、なにを求めているのかを利用者の立場から考え、マクドナルドをLIKEからLOVEに感じていただけるようなキャンペーンやTVCMを展開していきたいと考えているようだ。それがノーノーマルな時代だと考え、基本に戻って真摯に利用者と向き合い、自分たちのできることを取り組もうとしている。