12月4日・vs中央大 101-77 ○

ベスト4が出揃う準々決勝。九州勢で唯一ベスト8に残った鹿屋体育大は、東海大と戦ったものの80-52と大差をつけられてベスト4入りを果たせなかった。一方、ベスト4に進んだ東海大。昨年はベスト16という結果でインカレを終えたが、今年は粘り強さで勝ち上がってきた。「ローテーションがうまくいっている」と陸川監督が言うように、選手層が厚いという強みが存分に発揮されている。また、今年のチームについては「打たれても這い上がってくるところが良いところ」とリーグ戦で負けた後でも前向きに練習に望んでいたそうだ。そういったひたむきな姿勢がベスト4へと勝ち進む一要因となったに違いない。

存分に発揮されたディフェンス力
♯5小林・严??大♯4小野をおさえた。
♯5小林・中央大♯4小野をおさえた。

慶大の準々決勝はリーグ戦でも戦った中央大。リーグ戦では2勝したものの「リーグ戦とは違った気持ちで望もうと言っていました」と佐々木ヘッドコーチが話していたが、新たな気持ちで望んだこともあり、100点ゲームへと持ち込めたが、得点以上にディフェンス力が発揮された。
前日の愛知学泉大には、相手の持ち味を出させてしまいディフェンスに課題を残したが、この試合ではディフェンスが機能し、内外ともに中大に思うようなシュートを打たせなかった。

「(インカレまでに)ディフェンスを強化したつもりなので、それをしっかり出してやろうということで、そういう意味ではだいぶプレッシャーを掛けられた」(佐々木ヘッドコーチ)

中大を抑えるポイントとなるのはセンターの♯4小野龍猛だ。「(小林)大祐さんが(小野)龍猛さんを完璧に守れていた」と♯11酒井(福大大濠・3年)が言っていたように♯4小野に対する♯5小林(福大大濠・4年)のプレッシャーが効き、中大の得点源を前半4得点に抑えた。リーグ戦時から小野を止める♯5小林は「わざと時間を掛けさせるディフェンスをした」と、♯4小野の強みであるゴール下に行かせないような守りをした。
後半、点差を開いたところで、スターターメンバーは下がり、バックアップメンバーがコートに立った。しかし、シュートが決まらない、ディフェンスに緩みがあるといったようなふがいないプレイが続いた。「バックアップは残分処理じゃない」と佐々木ヘッドコーチが苦言を呈したが、そういった気持ちがプレイに出ているのかもしれない。
バックアップの選手も、特に1、2年生がインカレ準々決勝の舞台に立てたことは、来年以降につながるいい経験になったことには違いない。今後、大舞台にたった時にも溌剌としたプレイをしてほしい。

今日は、青山学院大と準決勝。「こういうトーナメント戦は『絶対勝つ』という強い信念がプレイに出てくると思う」と、青山学院大の長谷川監督は準決勝に向けて意気込んでいた。
「青学は相当の実力者なので、今日の戦いと同じで、リーグ戦のことはなしにして、ディフェンス、速攻、ゾーンアタックをしっかりとやっていくしかない」(佐々木ヘッドコーチ)リーグ戦では1勝1敗であり、一瞬も気の抜けない一戦になることは間違いない。
青山学院大もトランジションゲームを展開するチームという意味でプレイスタイルが似ている。

「走り負けないように頑張りたい」(♯5小林)

走りきることでトランジション対決を制することができる。気持ちの面では、『絶対勝つ』という強い信念も大切である。そして、「優勝にこだわらずに楽しくやれば、おのずと結果はついてくるので、いつも試合前に『楽しく、楽しく』ということを言っているので、最終的には楽しくやりたいです」というように、かたくなりすぎない状態で慶大らしいプレイが発揮できることに期待したい。

文:阪本梨紗子
写真:阪本梨紗子
取材:阪本梨紗子、湯浅寛

<本日の写真>

♯11酒井・積極的にリバウンドに絡んでいくシーンが目立った。
♯11酒井・積極的にリバウンドに絡んでいくシーンが目立った。

♯16二ノ宮・アシストや3ポイントシュートでチームに貢献した。
♯16二ノ宮・アシストや3ポイントシュートでチームに貢献した。