新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、多くの学生が通う教習所・自動車学校で異変が起きている。緊急事態宣言下での臨時休校を受け、混雑する時期がずれたことが原因だ。

高校卒業後の3月上旬に最寄りの自動車学校に入校し、9月末に卒業した法学部1年の女子学生は、「4月上旬から6月あたりまで休校が続いていたため、休校明けに乗車の予約が殺到し、1、2か月先まで予約が埋まっていることもあった」と話した。

一方、2月末から8月末まで通っていた商学部2年の男子学生は、「逆に緊急事態宣言解除直後はびっくりするくらいガラガラだった」と驚きを隠せないようだった。

今回は、日吉キャンパスに最も近い日吉自動車学校の営業課の加藤さんにコロナ禍の自動車学校の状況についてお話を聞いた。

 

前例のない長期休校

日吉自動車学校は、緊急事態宣言発令直後の4月13日から解除後の5月28日までの約1カ月半の間、臨時休校していた。加藤さんは、「1カ月半もの間、業務を停止するので、会社としては痛手であったが、クラスターの発生などを防」たので、休業自体は良かったと思っています」と当時を振り返って話した。

休校明けからしばらくは、在校生の予約を優先していたため、新規の教習生は予約が取れない状態が続いた。3月から4月にかけて入校した教習生が多数在籍しているため、11月中旬現在も予約が埋まっている。

神奈川県では、1カ月待ちが平均で、他県では半年先の予約まで埋まっている自動車学校もあるという。

 

入校時期に変化

コロナ禍で、例年とは異なる時期に、入校者が殺到した。例年は、2月から3月にかけてが一番の繁忙期だ。春休み中の大学生や進路の決まった高校生が多く入校する。

今年は、春休みが終盤に差し掛かる3月下旬から4月上旬にかけて、集中的に入校者が増えた。入校者数は以前の2割ほど増えたという。

通常は、入学や新学期の準備でその時期の入校者は少ない。一方、今年は、授業開始の延期やリモート授業の導入により、時間的に余裕が生まれた学生が少なくない。そのため、免許を取ろうと考える人が増えたというわけだ。

 

 

「ウィズコロナ」で車志向に

自動車学校が混雑している原因は、コロナによる長期休校の影響だけではない。「ウィズコロナ」の時代を見据え、「密」の状態が避けられない公共交通機関以外の移動手段として、自動車の需要が高まっている。それに伴い、自動車免許を取得しようと考える人が増えているという。

手軽な移動手段である二輪免許の取得希望は例年と比べ、125%増加したそうだ。

 

感染対策に一苦労

そんな多忙の中でも日吉自動車学校は、感染対策を欠かさない。館内マスク着用の義務化や入場時の検温、ソーシャルディスタンスの確保などの基本的な感染対策はもちろん行う。教習車のインターバル時のアルコール消毒といった自動車学校ならではの対策にも工夫を施している。

 

短期プランは年中予約を

これから免許を取得しようと考えている塾生には、11月27日から販売が開始された、生協限定の短期卒業プランがお勧めだ。1月中旬から3月までの入校で、短期間集中で自動車免許を取得できるプランだ。加藤さんは、「いつも以上に早く枠が埋まる可能性が高いので、年内中に枠を押さえておくのが確実です」と話した。

合宿免許は11月中旬時点で、1月中旬分までの予約が埋まっている。合宿免許も今年中の予約が確実だ。

日吉キャンパス内の生協日吉店の3階で自動車免許に関する相談や予約を受け付けており、来店しなくともHPやメール等での相談も可能だ。

 

例年以上の混雑をみせる自動車学校。入校を考えている人は、早め早めの行動が大切になってくるだろう。

 

(粕谷健翔)