例年ステージで行われる後夜祭も、今年は生配信で開催される。三日間の三田祭を締めくくる一大イベントをリアルタイムで行い、離れていても同じ時間を共有することができる。
新型コロナウイルスの影響で、出演する慶大生の練習も思い通りにいかない。その中で、今年は例年よりも一人一人の後夜祭に懸ける想いが強い。自粛生活中に自分と向き合う時間が増え、パフォーマンスを向上させる機会ができた。そして、限られた時間しか練習できない分、一回ごとの熱意もより高まる。
今年の後夜祭のテーマは「想いを、繋ぐ」。新型コロナの感染対策のため、ソーシャルディスタンスを保つ必要がある。物理的な距離がある中で、心の距離だけでも縮めたいという意味が込められている。慶大生の持つ「自身の誇り・内に秘める想い・今後への想い」という三つの想いをスクリーン越しに伝えていく。
当日は、今までとは違った「映像だからこそ伝わる迫力」に注目だ。ステージ上だけでなく、ステージ周辺を積極的に使うパフォーマンスは今年ならではの演出。カメラ越しでしかアプローチできない状況で、趣向を凝らして後夜祭をバージョンアップさせた。それぞれの団体の誇りと出演者の熱意も感じられる内容だ。
新型コロナという困難を乗り越えた、今年しかできない後夜祭。今まで以上に目が離せない。後夜祭に関わった全ての慶大生の「想い」をスクリーン越しに受け取ろう。
(山本里夏)