新型コロナウイルスにより社会はありとあらゆる自粛を余儀なくされた。その中でも大学生が強いられる自粛はすさまじい。結局春学期は完全にオンライン授業となり学校には一度も行くことがなかった。分散登校もなく課外活動も制限された学校生活。家を出ることなく授業を受けられる反面、新たな友人を作ることはできない。「小中高生は分散登校で新たな学校生活が始まっているのになぜ大学生だけ完全オンラインなのか」というような不満を随所で聞くようになった。

このような苦悩は大学生活に限ったことではない。私は現在大学3年生なのだが、大学3、4年生にとっては就職活動もまた悩みの種である。余計に気を遣うオンライン面接。オンラインインターンシップは画面越しにしか社風を感じることができない。先日、私が参加した面接では時間になっても面接官が現れなかった。結局その面接は日程をずらしてもらい事なきを得たのだが、対面では絶対に起きないであろうことがオンラインで実際に起きる。前例がないため、企業側も学生と同じで対応を模索中なのだろう。

今までの当たり前はもはや当たり前ではない。新型コロナウイルスはオンライン化を加速させたと同時に、オフラインの重要性を再認識させてくれた。大学は学びの場であるが、ただ授業を受ける場所ではない。さまざまな人々の交流があり、さまざまな考え方や価値観と触れ合うことができる場所なのだ。

先月、学生部より秋学期は一部対面授業を実施する可能性があると通達があった。以前の日常はまだ遠いが、一歩一歩確実に近づいてきている。

 

(三宅樹)