塾生の中には壮大なプロジェクトに参加している人がいる。
今回、複数の大学が共同で実施する「Earth Light Project」のメンバーである2人の塾生に話を聞いた。
木村勇人さん(政3)と李俊虎さん(環3)だ。
Earth Light Project(以下ELP)とは何ですか?
李さん プロジェクト内容としては若者の力で宇宙に向けて炎を掲げます。炎越しに地球を撮影するのは人類史上初の試みです。今、世の中はコロナ禍で分断が進んでいます。それをつなげるという意味をこの炎に持たせています。
木村さん ELPは東大大学院、千葉大、岩谷技研などの協力のもと多くの大学のメンバーが参加しています。
なぜ炎を飛ばすのですか?
李さん 当初は東京オリンピック・パラリンピックに向けて活動しており、聖火リレーのタイミングでの打ち上げを検討していました。聖火には平和・共存という意味があり、世界を一つにできるのではないかと考えていました。しかし、大会が延期になり、聖火リレー自体が中止になってしまいました。このような状況になってやる意味があるのかと考えましたが、世の中の分断が進んでしまった今だからこそ若者の力で希望を与えられるのではないかと思い、引き続きプロジェクトを進めています。
木村さん 今回の状況などを鑑みて、オリンピック・パラリンピック以上に強い意味を持ったと思っています。オンライン化が進み、人と人とのつながりを可視化しづらくなりました。
学生のムーブメントによって世の中を突き上げる。当初の目的に加え、そのような意味合いもあると感じています。
なぜクラウドファンディングで資金調達をするのですか?
木村さん このプロジェクトには学生を含めていろんな個人が集まっています。若者がつながって全体として共存する形でこれを動かしていきたいという思いがあります。クラウドファンディングというのは個人の累積によって成り立っているので、今回の私たちのプロジェクトに一番合っていると思います。
今後のELPの活動について教えてください。
木村さん 炎を宇宙に向けて打ち上げることを機軸にしながら、いろんなことに挑戦していきたいです。ムーブメントを起こす時に一つの事業に絞らなくていいと思っています。個々の得意分野といったところも生かしていきたいです。
ELPのメンバーになったきっかけは何ですか?
李さん 私は国際交流の団体の代表を務めており地域平和、世界をつなげるという理念のもと活動していました。その活動がELPの中心メンバーの方の目に留まり、お誘いを受けました。そしてELPのプロジェクトの理念に胸を打たれたので参加を決めました。
木村さん ELPの代表の方と別の企画で一緒に活動したことがあり、それがきっかけでお誘いを受けました。学生だけのムーブメントを今年・今やることに意味を感じ、何か携われないかと思いELPに参加しました。
お二人はどういった活動を担当していますか?
李さん プロジェクトの中核は世界の分断を引き留めるということにあると思います。そこで私は国外にELPを普及させなければこの問題の解決にならないと考え、元々やっていた活動で築いた人脈を生かし世界にムーブメントを起こせるような企画・広報などを担当しています。
木村さん コミュニティビルディングです。ELPの活動をするにあたって、若者のムーブメントが重要です。そのためには若者がコミュニケーションを取れる場を作らなければなりません。どうやってコミュニティを作るのか、参加する形をどう具現化するのかなど、コミュニティの活性化という部分を担当しています。
活動の魅力は何ですか?
李さん ポテンシャルがすごいというのが魅力です。宇宙に炎を届けるという軸がありますがそこから派生する可能性がとても大きいです。いろんな地域の人が一つのプロジェクトに関わる点、世界をどこまで動かせるか見えない点など可能性が無限大でワクワクします。
木村さん 学生から世界を動かすという点で、日本で今一番大きい動きがELPだと思います。起こせるインパクトとそこに関わる仲間の切り口一つ一つが非常に面白いです。刺激を受けながら大きな動きの一つの歯車になることが魅力です。
これからの抱負、目標をお願いします。
李さん 昔から世界平和に対して考え、国を超えたつながりというものを自分の使命として感じていました。今回のプロジェクトはまさに平和を実現するものだと思っているのでこのプロジェクトの成功が僕の目標であり、夢です。
木村さん これから日本でグローバルイベントがたくさん開催されます。それに向けて学生が結託したら何でもできるというブランディングを行いたいです。このプロジェクトを通じて学生の可能性というものを広めたいです。
塾生に向けて何か一言ありますか?
李さん 特に新入生は新たなコミュニティに入りづらいという苦しい状況だと思います。だからこそ、積極的に動くことは大事になってきます。ELPだけでなく、いろんな学生団体にコンタクトして、参加してほしいです。
本当にやりたいことを実現できるのは学生団体だけだと思います。社会人になると利権や会社などさまざまなことを気にしなければいけません。自分の意思決定が世界を動かすという経験は学生のうちにしか、学生団体という枠組みでしかできないと思います。自分のやりたいことのために立ち上げてもいいですし、参加してほしいです。生涯の友と出会えるかもしれません。
木村さん 社会を動かす方法をどう拡大していくか。これは学生にしかできないと思います。決して学生は無力ではないと今回の活動を通して感じました。ビジョンとモチベーションが溢れる人が集まり、そこには能力はあまり関係なくて野望のようなものが渦巻いています。思いが集まってチームとして何かを成し遂げるのは本当に面白いことです。だからこそ一度、学生のうちにそうした何かに関われたら面白いと思います。可能性は無限大です。
ELPのクラウドファンディングは9/16まで行われている。この壮大なプロジェクトに興味を抱いた方はこちらのHPより詳細をご確認していただきたい。これからの動きに注目である。
https://earth-light-project.com/
(三宅樹)