塾生新聞会主催の三田祭講演会が、11月24日開催される。登壇者には、情報番組をはじめとする数々の番組に活躍の場を広げる日本テレビアナウンサー青木源太さんを迎える。
講演会に先立ち、塾生時代から現在までの様々な話を聞いた。
真面目な塾生時代
塾生時代は、多くの時間をメディアセンターで過ごしたという青木さん。趣味は読書で、日課は1時間半ほどかけて新聞全紙を読むこと。当時は、自衛隊がイラクに派遣されていた時期で、新聞社ごとにスタンスや意見に差があることに興味を持っていた。「どの意見が正しいか、ではなく、色々な意見がある中で、皆で議論していくことが楽しいと思ったんです」
青木さんとアイドル
日課として読む新聞の中には、塾生新聞もあったそうだ。塾生新聞には「男性版アイドル」という塾生を紹介するコーナがあり、当時3年生だった青木さんにも、取材を行っている。
取材を受ける側だった青木さんは、今や「男性アイドル好きのアナウンサー」として知られる。「アイドルは一大叙事詩。一人の少年が成長して輝いていく過程を追いかけていける。まるで大河ドラマを観ているかのような喜びを感じられるんです」
「アイドル好き」という自らの趣味が、華やかで楽しそうな番組作りに携わりたいと思うようになったきっかけでもあった。
テレビの世界への憧れ
青木さんが塾生時代に熱中していたのが、テレビ局でのアルバイトだ。もともと好きだったテレビの世界。もともと好きだったテレビの世界はやはり楽しく、「もっとここで働きたい」と思い、就職活動でもテレビ局を志望したという。
制作職や記者職も視野に入れ、「とにかくテレビ業界に行きたかった」という青木さん。最終的に2006年に日本テレビに入社、アナウンサーとなる。
「アナウンサー」とは
青木さんは、アナウンサーを「テレビに映ってもいい黒子」と表現する。「テレビ画面に映っているが、番組を円滑に進行させるためにいる」ことが大前提。「番組に出ている人が嬉しいと思うこと、番組を観ている人に良かったと思ってもらうことが大事なんです」
アナウンサーのやりがいは「何かを見た時に自分というフィルターを通して表現できること」、「自分の言葉で何かを伝えられること」だと語る。
アナウンサーとしての幸せ
「様々な人から話を聞けることに幸せを感じる」と話す青木さん。毎週月曜から木曜に生放送されている情報番組「バゲット」では、普段あまり会えない俳優や歌手の人たちを取り上げている。「第一線で活躍し輝いている人は『言葉』を持っている。簡単にたどり着ける世界ではないから、確固たるもの、経験してきたもの、血肉にしてきた『言葉』がある。それを直接聞けるのは幸せだと思います」
理想のアナウンサー
最近では、情報番組以外に、バラエティやドラマにも活躍の場を広げる青木さん。理想の将来像は「硬軟自在のアナウンサー」。報道番組も情報番組もできる。バラエティ番組もこなせる。幅広く活躍するアナウンサーを目指している。
塾生へのメッセージ
最後に、塾生に向けて「就活のため、将来のため、ではなく、今楽しいことをとことんやってほしい」というメッセージをもらった。
「学生時代に学んだことをそのまま使えるほど社会は甘くないと思います。自分は何を学びたいのか、よく考えてみてほしいですね」
青木さんの言葉には、多くの取材を経験して積み重ねた「確固たるもの」があった。
(松尾美那実)