6月25日に三田演説館にて、東京大学法学部・大学院法学政治学研究科教授の苅部直(かるべただし)氏による講演会が福澤研究センター主催で行われた。
演題は「福澤諭吉の「怨望」論をめぐって」。苅部氏は日本政治思想史を専門としており、福澤諭吉の著作における「怨望」についての思想を、J・S・ミルやハイエク、小林秀雄などの思想と関連させて語った。
講演では苅部氏が作成したレジュメが配られ、「デモクラシーが「怨望」を生む」、「政治問題としての「怨望」」、「「怨望」問題の切迫化から、「人心収攬」へ」という項目に沿って進められた。また、福澤諭吉の『学問のすゝめ』第13編が資料として配布された。
会場はほぼ満席となり、熱心に耳を傾ける聴衆の姿が多く見られた。
なお、講演会の抄録は『慶應義塾福澤研究センター通信』第11号(8月刊行予定)に収録される。