東京六大学野球秋季リーグ戦は9月8日に開幕した。6季ぶりの優勝を狙う慶大は第1週で立大と対戦した。慶大は初戦をサヨナラ負けで落としたものの、第2戦、第3戦と接戦を制し勝ち点1を挙げた。
リーグ戦は神宮球場を舞台に8週間に渡って行われ、慶大は今後、第3週(22日~)で明大、第4週(29日~)で東大、第6週(10月13日~)で法大、第8週(27日~)で早大と対戦する。
慶立第一戦
口惜しい敗戦となったが、その中で光ったのは立大打線を9回1失点に抑えた加藤の好投だろう。「今日は調子が良かったので」というように、序盤から145㌔超の直球を投げ込み立大打線をねじ伏せた。「少し投げ急いでしまいました」という9回に1点を失ったものの、そのピッチングは圧巻だった。好調の理由を聞くと「プレ五輪中に(投手コーチの)大野豊さんにピッチングについて色々教わり、それの結果が出たのでしょう」。最後に加藤は「まだまだ始まったばかりですし、勝ち点を落としたわけではないので、とにかく勝ち点を取っていきたいです」と語り、前向きな姿勢を見せた。
慶立第二戦
中林(商2)の好投を援護できずにいた打線が調子を取り戻したのは8回だった。2死から難波(政4)、宮田(環4)が連続安打、佐藤翔(総4)が四球で繋ぎ、今福(環3)が2点適時打を放った。相場監督は「追い詰められ、このまま終われないという意識が粘りを呼んだ」とこの攻撃を勝因とした。また、宮田主将は「結果を恐れず振ることを考えた」と振り返った。そして9回表、8回から志願登板した加藤の「打線が追い上げてくれ、流れを掴むために狙った」という三者連続三振で完全に流れを慶大のものとした。チーム一丸となり土壇場からの劇的勝利を呼んだ。
慶立第三戦
この試合でも加藤は打っては逆転打を含む2安打、投げては1失点完投勝利と投打のヒーローとなった。連日の活躍に相場監督も「加藤に尽きる」と称賛した。
一方で、3試合29イニングでわずか16安打と野手陣の不調が目立つ。これには相場監督も「打撃重視で打線を組んでいるが右投手の外の変化球をあれだけ打てないのでは話にならない」とお手上げ。2週間後に戦う明大は久米、水田、古川、白石と好投手を多く揃えている。勝ち点を奪うためには野手陣の奮起が必要だ。