2019年度全塾協議会塾生代表選挙が、5月20日に告示され、28日に立候補者が発表された。

6月19日までが広報期間、20日から28日までが投票期間となっている(22日と23日は除く)。立候補者は3名。
届け出順に、前田稔さん(商4)、若林卓実さん(総3)、椎木里佳さん(文4)。
すべての学部生に選挙権があり、投票は前回から導入された電子投票だけではなく、各キャンパス内の投票所からの投票も可能となるという。

前回選挙の投票率は7・9%にとどまり、規定の水準である10%を下回ったため選挙不成立となった。塾生代表の任期延長が7月までのため、今回の選挙も不成立となった場合、規約に基づく形で全塾協議会(協議会)が解散する可能性は極めて高まる。選挙管理委員会の回答によると、自治会費の分配停止などの恐れがあるという。選挙が成立し、塾生自治が維持されるか。選挙結果が注目される。

 

選挙に至るまで

候補者公募に先立ち、5月13日に立候補者向け説明会が開催された。参加者は、塾生代表としての業務の概要や選挙運動の注意点について説明を受けた。立候補には、5月20日に行われた事前説明会への参加が必須であり、説明会に参加した人の中から3人が立候補した。

 

塾生代表とは何か

塾生代表は、全塾生のための福利厚生の増進を目指すために活動を行う。

主な仕事は、協議会に所属する団体の予算の承認だ。協議会には、塾生生活に直結する多くの団体が所属している。協議会から各団体へ交付される交付金は、学費の一部として毎年750円ずつ徴収されている「自治会費」から捻出されている。総額は2000万円にも及ぶという。塾生代表は、協議会で議決された予算案を承認する権限を持っている。

そのほか、月に一度の議会の招集や決議案の承認、所属団体の代交代の承認などが、塾生代表の業務としてある。「唯一公選によって選ばれた塾生の代表」として、重要な役割を担っているといえよう。

 

前回からの改善点

選管の担当者は前回の選挙に関して、選管の組織体制に関してトラブルがあり、実施が遅れたとした。それに伴い、広報の遅延も発生、塾生に選挙に関する事項を十分に周知させられなかったという。

投票システムに関しては、前回同様電子投票システムをベースとするが、ページの遷移回数や表示速度などを改善する予定だ。また、電子投票のみでは各端末でのトラブルに対処できないため、各キャンパスに投票所を設置する予定。投票所の設置と電子投票により、有権者にとっての利便性を高めることが狙いだという。

 

選挙不成立の場合

今回の選挙が不成立となり協議会が解散した場合、どのようなリスクが考えられるか。まず、学内の諸団体に予算を配分する正当な団体が存在しなくなるため、学生部による自治会費の代理徴収が停止する。

また、協議会に属するすべての団体が非公認扱いとなる可能性がある。この場合、三田祭の開催や文化団体連盟の運営などが立ち行かなくなる恐れがあるという。選管の担当者は、選挙の延期ができないという点で、前回と状況が大きく異なると話す。

 

選管担当者の話

「選挙管理委員会としましては、公正公平に選挙を実施していくことが責務と考えております。そのためには多くの塾生に、塾生自治を改めて考えてもらえる機会の場を十分に提供する必要があります。みなさまがより身近に、塾生代表や全塾協議会を捉えてもらえるようになれば、幸いでございます」