女性は化粧をすべきか否か。その必要性は、年齢とともに変化する。中高生が化粧をしている姿を見て「最近の若い子は」と眉をひそめる人は少なくない。一方、社会人女性の間では、化粧は最低限のマナーという認識があるようだ。では、中高生でもなく社会人でもない、大学生の女性は化粧とどう付き合っているのだろうか。塾生177人(うち男性78人、女性99人)を対象にアンケートを行った。
「大学生の女性は化粧をすべきだと思うか」という問いに対し、「そう思う」と答えた人は37人、「ややそう思う」は66人、「あまり思わない」は63人、「全く思わない」は11人となった。男女別に見ると回答者数の分布はグラフ(上)のようになり、女性に比べ男性のほうが「そう思う」と回答した人の割合が高いことがわかる。
「そう思う」「ややそう思う」理由としては、「マナーとして」が45人と約半数を占めた。社会人の一歩手前の立場として、化粧を最低限の身だしなみととらえている人も多く、特に女性の回答のなかには、社会人になる前に練習すべきだという意見もみられた。その一方で、「あまり思わない」「全く思わない」と回答した人のなかには、化粧をするか否かは個人の自由だとする声が多く、「まだ社会人ではない」(経2女)から「学業を最優先すべき」(文3女)との反論も。
男性の場合、化粧をしたほうが美しく見えるため化粧をすべきだとする回答が目立ったが、「化粧をしないほうが可愛い」(文2男)、「可愛かったら化粧をしなくて良いが、したほうが可愛いのならすべき」(法2男)など好みは多様である。
実際に化粧をする頻度について、「毎日必ずする」と答えた人は女性99人のうち42人、「ほぼ毎日する」は45人、「しない」は12人。「ほぼ毎日する」と答えた人が化粧をしないのは「一日中家にいるとき」や、寝坊をした日など「時間がないとき」が圧倒的に多く、知り合いに会わない日ややむを得ないときを除いて、回答者のほぼ9割が化粧を習慣としていることがわかった。
では、日常的に化粧をしているか否かに関わらず、ノーメイクで大学に行くことに抵抗はあるのだろうか。調査では「抵抗がない」が34人で、「抵抗がある」と答えた65人の約半数となった。
化粧をせずに登校することに対して抵抗がない理由は「面倒臭い」(環1)、「肌が荒れないというメリットがある」(文2)、「眼鏡を掛ければごまかせる」(商2)などさまざまだ。
一方、「抵抗がある」と答えた人が挙げた理由は、大きく4つに分かれた。まず、化粧をすることが習慣になっているからというもの。毎日化粧をしていれば「顔が変わってしまう」(文2)上に、生活の一部になっているため、「しないと落ち着かない」(環1)という人も多いのだろう。また、「気分が上がらない」(文2)など化粧によって気持ちのオン・オフを切り替えているという理由も目立つ。なかには「友達が皆化粧をしているから」(経2)と周囲に合わせる声も上がった。
そして、最も多かったのが「素顔を見られるのが恥ずかしい」(法3)、「見栄えが悪くなるので人に会いたくなくなる」(文3)など他人からの視線が気になるからという理由。印象を決定づける顔に関することであるため、やはり周りからどう見られるかが重要なようだ。
化粧をすることが大学生にとってもマナーのひとつだとの認識は、ある程度存在する。しかし、実際に化粧をするのは、友人や知人に良く見られたいという願望からという人が多い。美しさを求める女性にとって、化粧は欠かせない存在と言えよう。
(田中詠美)