《美しい瞳であるためには、他人の美点を探しなさい。/美しい唇であるためには、美しい言葉を使いなさい。 Audrey Hepburn 》

今月のキャンパスアイドルは法学部政治学科3年の成田真惟子さん。気品ある趣に素敵なオーラ、質問に対する堂々とした受け答え。はりつめた空気は融解して晴空の調べとなる。取材がきっとやりやすいことだろう。

彼女は小学校6年間をイギリスで過ごした帰国子女である。もちろん英語はペラペラ。現在英語の家庭教師をしていて、英語を暗記するものではなく、実際に使えるものとして教えている。具体的には、授業はすべて英語で行っている。

「イギリスから帰ってきたばかりのときは、暗記中心の勉強方法についていけなかった」とのこと。「答えを与えられて暗記を強要されると、人は覚えない」。海外で行われているような、自分で考えて答えを導き出す授業方式のほうが記憶に残りやすい。それを意識した上での指導方針なのだろう。

大学2年生の夏には秀逸な語学力を生かして、HPAIRと呼ばれる、ハーバード大学主催の国際学生会議に参加した。HPAIRではアジア太平洋地域における課題について参加者で議論を行うが、集まる学生の優秀さ・視野の広さに舌を巻いたとのことだ。謙遜という素直な旋律は珈琲の風味を引き出す。




才色兼備・秀外恵中の彼女も昨年は一路順風ではなかった。「就活が始まって、現実を見ることが増えた。上手くいかないこともたくさんあって、大変な年だった。大変だったからこそ、いろいろな人に支えてもらった」。そのため今年の目標は「大変な思いをしている人を支えられる側になりたいな」との返答――。

彼女は昔からミュージカルを見るのが好きだった。ミュージカルを観ていると、「明日も頑張ろう」という気持ちになる。本人からも「人のエネルギーになりたい」という思いが飛び出してきた。

中高の6年は部活で自らもミュージカルの舞台に立った。大学では所属するダンスサークルの舞台に立つ。そして舞台の一瞬にすべてをかける。それは形として残らないが、人の心に記憶として残り、活力となる。

彼女の口から好きな言葉が声になって出てくる。冒頭のオードリー・ヘップバーンの言葉。「人の良いところを見つけていける人って美しいと思います。私もそういう人でありたいな」

フィナーレの舞台は壮大な「黄金律」となった。何かこみあげてくるものがある。

 

(『偽の裁きと訣別するため』)

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