フィールドホッケーに、馴染みのない人も多いかもしれない。テレビで取り上げられることはめったにない。しかし、そのスピード感は迫力満点。高度なドリブルテクニックやボール回しが見どころだ。
2歳からスティックを握り、小学生で本格的に競技を始めた。地元のチームで監督をしていた父の影響で始めたホッケーも、今や競技歴15年ほどの大ベテランだ。
男子ホッケー部の副将・吉川大地選手(政3)は、小学生の頃から全国優勝を経験し、今やU21の日本代表に選出される慶大のエースだ。
吉川選手の武器は、15年かけて積み上げてきた知識、経験、技術だ。「感覚だけではなく、どうフェイントをかければ相手が引っかかるかをかなり研究してきた」と自信をのぞかせる。最近では、試合中いかに普段どおりのプレーができるかといった精神面も強みの一つとなってきた。
昨夏、オーストラリアに単身で乗り込み、世界ランク1位のホッケーを体験した。日本代表チームとして対戦した相手の手の内を実際に見ることができたのは、大きな経験になったと振り返る。「技術的な部分だけではなく体制も本当にしっかりしている。差を見せつけられた」。一方で、プレー面ではある程度「やれる」という自信もつけてきた。
吉川選手が目指すのは、賢くプレーできる選手。これは、自分の役割をしっかりと理解し全うする選手ということだ。日本代表や慶大など複数のチームでプレーをすると、求められる役割も変わってくる。チームにおける自身の立ち位置を理解し表現することが、東京五輪出場への門をこじ開ける鍵となる。
東京五輪まで2年を切り、慶大ホッケー部での最後の1年を迎える。個人としても慶大としても結果が求められる1年をどう乗り越えていくか。未来のスターに注目だ。
(鈴木里実)