塾野球部など3団体が、昨秋から観客動員プロジェクト「Ball Park Project」(以下BPP)を立ち上げ、現在注目を集めている東京六大学野球をより活性化させようとしている。
BPPは、野球部、應援指導部、湘南藤沢キャンパスのスポーツマネージメント研究団体・SMRGが中心となって行われる大学スポーツ活性化のためのプロジェクト。サッカーの浦和レッズやプロ野球の北海道日本ハムファイターズのような地域密着を目指している。球場を、野球を観るだけの「stadium」ではなく、そこに来たファンが一緒になって応援したり、仲間を見つけたりと、楽しむ場としての「Ball Park」にしようと活動している。
具体的には生協、應援指導部と協力して生協食堂に選手名にちなんだメニューを導入、地元老人会との地域清掃、盆踊り大会への参加、少年野球教室を開いて野球少年を神宮球場へ招待するなど、幅広く、地域、慶應に密着した活動が行われる。また、現在は行われていない、リーグ戦優勝時の日吉パレードの復活に向けた計画も進められている。これからも数々の新しい企画を実行していく予定だ。
プロジェクトの成果は徐々に現れている。今春のオープン戦が行われた当日、日吉グラウンドは大勢のファンで埋められ、立ち見が出るほどになった。地域の方から活動に対する感謝の声も聞こえた。
プロジェクトを中心的に進めている松橋克史副将(総4)、南斉恭平BPP地域班チーフ(商4)、中井紀和BPPチーフ(環4)は、BPPを今年だけの活動にしたくないという。「愛され続ける野球部」になることもこのプロジェクトの目標だからだ。将来的には塾内の他の体育会、さらには他大学との連携も視野に入れている。BPPの活動が広がれば、野球部のみならず、同じように活性化を目指す他の大学スポーツにも大きな影響を与えるかもしれない。野球部にはまずモデルになることが求められる。
プロジェクトのメンバーは「野球部はみんながチームの一員であると考えています。一緒に戦って喜びを分かち合いたい。応援が勝ちにつながります」と言う。選手、観客が一体となった「Ball Park」では、きっと我々を楽しませてくれるような試合が展開されているはずだ。