先月6日、三田キャンパス南校舎ホールで慶大とIBM社の共同フォーラムが行われた。「A Look at the Future」と題し、第一部では慶大から長谷山彰塾長、IBM社からジニー・ロメッティ会長・社長兼CEOが参加し、イノベーションとテクノロジーの未来について語った。
ロメッティ氏は「これからはデータを活用する時代だ」と断言。AIや深層学習に早く取り組んだ会社が新時代を切り開いていくと述べた。
このパラダイムシフトが仕事を根底から覆すのも事実だ。現在の仕事内容の半数は4年前のIBM社にはなかったものである。
またロメッティ氏はAIについて、狭義のAIと広義のAIが混同されていることに疑問を投げかけた。
同氏によれば、前者は世間で述べられている深層学習や機械学習などにおける高速処理技術を指す。ワトソンやSiri、Amazonのレコメンドなど実用化されているものも多々ある。後者は多岐にわたるAIを指し、実用化には程遠いとされる。両者を混同している人が多く、生産的な議論にならないと嘆いた。
最後にイノベーションに適応することの重要性を述べ、「変化を恐れない。成長と居心地の良さは共存しえない」と締めくくった。