近年自転車を買うのではなく「借りる」選択が広まっている。

7月下旬には、日吉キャンパス協生館前と、(株)パナソニックが開発に取り組むTsunashimaサスティナブル・スマートタウン(綱島SST)の間で、街中で電動自転車を借りられる「サイクルシェアリングサービス(サイクルシェア)」が始まった。一度登録をすればその場で手続きをしてすぐに借りられる。塾生、とりわけ綱島SST内にある国際学生寮生の新たな移動手段として活躍が見込まれる。

例えば、国際学生寮で生活する塾生の期間は長くて数年である。学年が変わり引越しをする際、引越し先で頻繁に自転車に乗るとは限らない。サイクルシェアの料金は30分1‌5‌0円(税別)で、24時間利用が可能。電動自転車を購入するよりは、サイクルシェアで共用したほうがコストを抑えられる可能性がある。

利用できる自転車は電動アシスト付き。運動不足な塾生も、国際学生寮から日吉キャンパスに向かう綱島街道の急な上り坂を楽に登れる。

サイクルシェアならではの利点もある。レンタサイクルと異なり、対応したサイクルポート(駐輪場)であれば借りた場所と異なる場所で返却ができるのだ。自転車を出発地のポートに戻さなくてよいので、片道だけ使える。雨の降っていない時間帯だけ利用し、帰りは他の交通機関を使えるのも強みである。買い物をして、荷物の多い日だけ使うといった活用法も一人暮らしには重宝しそうだ。また、日吉駅周辺は迷惑駐輪が問題となっている。将来的にポート増加により利便性が向上すれば、改善につながる可能性もある。

サイクルシェアの運営に携わる、株式会社サンオータスはカーサービス事業を中心としている。日吉綱島地域の自転車利用が多いことに目をつけ、現在は1年間の試験運用を行っている段階だ。社員の徳永輝美さんは、「サイクルポートの数を増やすことができれば、さらなる利便性の向上が望める。目的に応じてレンタカーやカーシェアなどと使い分けてもらいたい。サイクルシェアが大学生や住民の方々の移動手段になれば」と話した。

(満井崚)