6月29日、学生総合センターより、公認学生団体(サークル等)の責任者が危機管理に関する授業を履修することを、公認申請条件として追加することが通知された。
来年度の公認審査から導入されるため、それに向けて団体役職者は早ければ今年度秋学期から履修することとなる。学生団体の役職者から下級生へ、安全な大学生活のための基礎知識を全学に広めるねらいだ。
今回公認条件に追加された授業「大学生活における責任と危機管理」はe-learning科目であり、インターネット上で受講・単位取得を行う。キャンパスを問わず、飲酒問題からメンタルヘルスまで、大学生活の様々なトラブルに対処する方法を学ぶことができる。
授業の履修に関して、学生総合センターはこれまで「履修を推奨する」という立場を取っていた。今回、学生団体の公認条件追加に踏み切った背景には、授業の開講から現在に至るまで、塾生の知識不足に起因するさまざまなトラブルが後を絶たない状況があったという。
学生総合センターとしては、全塾生がこの授業を受講することを理想としている。しかし、医・薬学部では必修科目の単位取得要件・看護医療学部では実習科目の前提条件として視聴が定められている一方、文学部では自主選択科目として、他の学部では自由科目として扱われる。
このような現状に対し、塾生ののべ約9割が所属している公認学生団体を通じて、危機管理の意識を高めることがねらいである。より多くの塾生に授業の内容を展開できるように、学生団体の会員の安全を守る立場である、役職者を対象としたのである。
学生総合センター長の千田憲孝教授は、「近年学生組織にもコンプライアンスとガバナンスの徹底が求められている。団体役職者の未履修を確認した時点で公認を取り消す、ということはないが、公認申請時の判断材料とする。団体責任者は、身に付けた内容を会員に伝え、授業の内容を学生団体の運営に役立ててほしい」と話した。
なお、塾生の中には、履修申請上限に達しているなどの理由から、履修が難しいという人も少なからずいる。これに対し学生総合センターでは、授業履修のアナウンスに加え、様々な取り組みを検討していくという。