東急東横線で日吉から約10分の田園調布。そしてすぐ隣駅の多摩川。意外と近い場所にあるが頻繁に訪れるという人は多くはないだろう。
どちらも閑静な高級住宅街。家族連れも多いこの街にはペットとゆったり一緒に過ごせるカフェもあるようだ。
ワンちゃんとおそろいのメニューを楽しめる――Deco’s Dog Cafe
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田園調布駅を出て徒歩1分。私たちが最初に向かったのは、東急スクエアガーデンサイト北館1階にある「Deco’s Dog Cafe」だ。ここは犬も人も食事を楽しむことができるカフェで、7割ほどのお客さんはワンちゃんと一緒に来店するという。ペット用品店やトリミングサロンが同じフロアにあったり、お店に駐車場が隣接していたりするので、犬を飼っている人にとってはとても行きやすい環境だ。
私たちが頼んだのは、「田園茶房オリジナルカフェラテ(650円)」と「紅茶のシフォンケーキ(種類は日替わり650円)」 だ。カフェラテにはワンちゃんの肉球のラテアートが施されており、ついつい写真を撮りたくなる一品だ。肝心の味ももちろんおいしい。ミルクの優しい甘さが身体に染み渡る。シフォンケーキもふわふわで、ホイップクリームとの相性も抜群だ。ドッグカフェでありながら、人向けの料理にもこだわりを持っていることがうかがえた。
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このカフェはワンちゃんの健康を第一に考えており、ワンちゃん向けの手作りごはんも提供している。人向けの料理とは違い、塩を使わず素材そのものの味を生かし、低カロリーとなっている。その中には、人もワンちゃんも食べられる「コミフ」というスイーツメニューがある。一部は小麦、乳、卵が入っていない「コミフやさしいスイーツ」となっていて、アレルギー持ちの人でも安心して食べることができる。私たちも「コミフ 紫いもと豆乳のショートケーキ(497円)」を頼んで食べてみたが、普通のケーキと遜色ないおいしさだった。
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また、「おそろいメニュー」もおすすめの1つのようだ。犬も人も同じ料理やスイーツを楽しめる。過去のラインナップはハンバーガーやパンケーキなど。先述のとおり、ワンちゃん向けと人向けでは調理過程が異なるが、ペットと見た目が同じものを食べることができインスタ映えもして好評とのことだ。
「このカフェで、犬と飼い主の素敵な時間を演出したい」と語るのは、店長の百瀬葵さん。百瀬さんは子供の頃から犬が大好きで、学生時代からこのお店に通っていたそうだ。もちろん他の店員さんも犬が大好き。忙しく動き回る中でも、楽しそうにワンちゃんとスキンシップをとっている姿が印象的で、このカフェが14年に渡ってお客さんから愛され続けている理由を垣間見ることができた。
平日のランチタイムには、ペット連れでないお客さんも来店することが多いとのこと。ぜひ「Deco’s Dog Cafe」で、おいしい料理やスイーツをいただきながら、ワンちゃんとの交流を楽しんでみてはいかがだろうか。
意外な施設が併設!?――hiff cafe tamagawa
続いて多摩川駅に降り立った私たちは、西口を出て多摩川台公園方向に向かった。歩くこと約2分、訪れたお店は「hiff cafe tamagawa」だ。
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店内に入ると、1階は落ち着いたカフェスペースとなっている。ところが、地下に下りると普通のカフェとはひと味違った空間が広がる。お会計は済んだはずなのに、地下にもレジカウンターがあり、机の上には、ワンちゃんのお薬のようなものが置かれている。というのも、このお店には地下1階に動物病院とカフェが併設されているのだ。
私たちが頼んだのは、「キウイタルト(アイス付き750円、テイクアウト550円)」と「フルーツティー(500円)」。タルトは、キウイの酸味がほどよく効いている。タルト生地の甘さとのバランスが絶妙だ。次にフルーツティーを一口。フルーツの香りが広がる、香り豊かな紅茶だ。
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お店の看板メニューの「カフェオレ(650円)」も頼んだ。甘いミルクが心を落ち着かせる、優しい味わいがする。
タルトやケーキなどのお店で出されるスイーツは、全て手作りだ。身体のことを考え、保存料を使用せず、発酵調味料や天然素材を使っている。
「動物病院というと普通、病気の動物しか来ません。でもこのお店では、カフェとの融合を通して、元気なワンちゃんやペット連れでないお客さんも来ることができるような、楽しい空間を作りたいと考えています」とお店の方は語る。実際、ペットを連れていないお客さんが来店し、来院したワンちゃんと触れ合うことがあるそうだ。
ペット連れでなくても大歓迎。無料のWi-Fiも完備されており、ゆったりとしたひと時を過ごせるだろう。是非「hiff cafe tamagawa」に立ち寄って、手作りスイーツと動物たちに癒されてみてはいかがだろうか。
どちらのカフェもドッグカフェという形式を取りながらその実体は異なる。それぞれ店員さんのカフェに訪れるペットと人への思いがカフェの雰囲気・空間に組み込まれていた。両者の雰囲気を比べ楽しんでみてはどうだろうか。