塾生は新聞とどのように関わっているのだろうか。学部生460名にアンケート調査を行い、塾生の新聞利用の実態に迫った。
「普段、どれくらいの時間、新聞を読むか」という質問に対し、全く読まないという回答が全体の3割に上った。塾生が新聞を読まない理由として多く挙げられたのが、「新聞以外のメディアで情報を得ている」というもの。ニュースを確認する際、新聞以外で最もよく利用する媒体はTVという結果が得られた。しかし、パソコン、携帯を合わせ、インターネットの利用とみなすと過半数(52%)が頻繁にインターネットを利用していることになる。一方、雑誌、ラジオは少数派。インターネット全盛の時代を象徴しているといえるだろう。
また、「読む時間がない」、「価格・購読料が高い」という回答も多かった。前者に関しては、バイト、サークル、授業などで忙しく、腰を落ち着けて新聞を読む暇がないということだろう。新聞を読む場所に家を挙げる塾生が多く、移動時間などを使う人は少数派だった。後者の理由は、特に定期購読をためらう一人暮らしの塾生に当てはまるものだろう。
一方、日常的に新聞を読む塾生も少なくない。中には、朝日など一般紙と日経、県紙を併読する塾生も。新聞を読む理由としては、「いろいろな情報・話題が手に入る」という回答が圧倒的だった。今、世の中で起きていることを総合的に伝える媒体として新聞が高く評価されていることがわかる。
他には「習慣になっている」、「特に理由はない」という回答も目立った。新聞が「何となく読んでおいた方がいい」媒体として認識されていることが表れている。「学業・生活に役立つ」など実用性を評価する声も。
では、塾生は新聞のどの面をよく読むのか。多く挙げられたのは、やはり一面。社会面も上位に入っており、「一面と三面は外せない」という意識が感じられる。一方、テレビ・ラジオ欄、スポーツ面の読者も目立つ。興味のある面だけつまみ食いするのもひとつの読み方だろう。政治面、経済面と続き、総合面や国際面を抜いて社説。出来事のひとつの切り口を示す記事として重宝がられているようだ。
アンケートを通じ、新聞に何らかの価値を見出している塾生が多いという印象を受けた。メディアの多様化が進み、新聞の衰退が危ぶまれる今日だが、どの媒体にも各々の利点、欠点がある。新聞であれば、一覧性や保存性、詳報性などが優れている反面、報道の早さなどでは他の媒体に劣る。それを踏まえた上で、他の媒体を利用しながらも、新聞を上手に活用することがこれから求められていくだろう。
(西原舞)