フェンシング部の藤倉類選手(総1)は4月、「剛騎杯フェンシング選手権大会」の男子フルーレで優勝。5月に行われたリーグ戦では慶大の一部昇格に貢献した。そんなフェンシング部のエースに話を聞いた。
小学6年生でフェンシングを始めるまでは空手に打ち込んでいた。どちらも対人競技で、相手との駆け引きの中で戦うという点が似ているそうだ。「頭を使う競技なので、駆け引きで勝ったときに爽快感を感じる。剣を使うことで戦略の幅が広がったり選択肢が増えたりするのが楽しい」とフェンシングに感じる魅力を語る。
1年生ながらリーグ戦で活躍する藤倉選手は、会場の雰囲気や応援の圧に対し、「プレッシャーは少なからず感じますが、神経質になって試合に集中できないというのはナンセンスだと思っています」と話す。自分がやるべきことをしっかり決め、試合中にミスをしないようにすることを心がけているそうで、気持ちの強さが感じられる。
日本でこそ競技人口の少ないフェンシングだが、世界にはレベルの高い選手がたくさんいる。海外での試合経験がある藤倉選手は、世界との差を目の当たりにしてきた。「体格差や日本人とは異なる技術を踏まえて戦術を練らないといけない。日本人と戦うようにやっていたら勝てないというのを痛感しました」
普段の練習からその溝を埋めることを意識しているという藤倉選手は、世界の舞台で戦うことを目標とする。世界最大規模の「世界ジュニア・カデフェンシング選手権大会」に昨年、日本代表として選ばれたものの、直前でけがをして結果を残せず、悔しい思いをした。今年が出場できる最後の機会で、「もう一度日本の代表枠を勝ち取って、一番大きい舞台で結果を残したい」と思いを語る。「やがては東京五輪に出場してメダルを取りたい」と将来の目標を掲げた。
(村瀬巧)