今年はいろいろと節目の年であるが、その一つに日本経済が資本主義世界2位になってからちょうど半世紀の年というものがある。経済大国と言われ始めたころだ。

経済大国日本はバブルによってピークを迎えた。平成に入って間もないころだ。その後平成は停滞の時代となり、人々を後ろ向きの思考が支配するようになってしまっている。人生や国の将来への不安が絶えず、堅実で節約志向の暮らしを好む。

しかし、今の時代はそれほど悲観すべき時代なのだろうか。逆にバブル期はそれほどうらやむべき時代なのだろうか。うらやむとしたら、日本の経済力と産業の競争力が世界を制覇しつつあった80年代という時代の方ではないか。

バブルはむしろ当時の時代が生んだ副作用ではないだろうか。楽観的な人々が身の丈に合わない浪費や投資に走り、それらは重い負債となって後にのしかかった。

今は硬直した諸制度、少子高齢化に人口減少、国際競争力の低下など多くの問題がある。しかし、潜在力が残されているうちは、過度に悲観的になる必要もない。問題を目の前にして危機感を持つことに加え、希望も持ち続けること。それが今の時代に取るべき姿勢ではないか。

(根本大輝)