今季も慶大野球が結実の時を迎えた。慶大以外に唯一優勝の可能性を残していた明大は第7週、法大に敗れ、勝ち点・勝率で慶大を上回る可能性が消滅。慶大の27年ぶりのリーグ連覇が確定した。ベストナインには外野手部門で河合(総4)が、捕手部門で郡司(環3)が選ばれた。
栄冠への道のりは決して楽ではなかった。今季の勝因は何か。選手、監督ともに「チーム全員で勝つ」と度々口にしていた。
投手陣について、先発の調子が悪い試合でも救援が踏ん張ったことがリーグ最高の防御率2・08につながった。
また、どんなに試合を相手有利に進められても諦めなかった。慶大の9勝のうち、逆転勝利は6試合。大一番の明大戦の勝利は、どちらも試合後半に追いつきサヨナラを決める劇的勝利だった。
監督の存在も大きい。投手がピンチを招いた場面では必ずマウンドに駆け寄り、得点のチャンスでは次の打者の耳元でアドバイスを送った。練習でも気になった点はそのつど選手に伝えた。
惜しくもリーグ優勝決定後の早慶戦で勝ち点を得ることができず、全カード勝ち越しの完全優勝とはならなかった。
4日のリーグ閉幕日には優勝パレードと祝賀会が行われ、多くの慶大関係者とともに野球部が明治神宮野球場から祝賀会会場の三田キャンパスまでを練り歩いた。祝賀会では、キャンパス中庭を埋め尽くすほど大勢の観衆を前に、大久保監督と主将の河合が早慶戦での敗戦を次の戦いに生かすことを誓った。
慶大は今月13日から全日本大学野球選手権大会に出場する。六大学覇者の名に恥じぬよう、「全員野球」で日本一を狙う。
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