U20南アフリカ代表 vs. U20オーストラリア代表戦の後半、相手陣内でラインアウトモールを形成し押し込む南アフリカのFW陣(グリーン×背番号ゴールドのジャージー)。「スクラム、モールで相手の体力を消耗させることができた。結果として(攻撃時に)オープンへの展開もできた」(エリック・サウルス・南アフリカ代表監督)。監督の言葉にもあるように、FWが絡むラインアウトやスクラム、モールといったプレーの安定が、南アフリカに勝利をもたらした。準決勝でイングランドに「根負け」したFW陣が、この日は躍動した【慶應塾生新聞会】U20南アフリカ代表 vs. U20オーストラリア代表戦の後半、ゴールライン寸前で体を張って南アフリカの選手の突破を阻むオーストラリアのFW陣。「(オーストラリア戦は)激しい肉弾戦を予想していた」(エリック・サウルス・南アフリカ代表監督)。オーストラリアも、ゴール前の集中力は凄まじいものがあったが、「試合の中で適切なプレー判断ができずミスが生じてしまった」 (デイヴィッド・ヌシフォラ・オーストラリア代表監督)。特に攻撃時、ディテールの詰めの甘さが目立った【慶應塾生新聞会】U20南アフリカ代表 vs. U20オーストラリア代表戦の後半、味方にパスを放るオーストラリアSHリチャード・キンギ(写真中央)。今シーズン 、IRBセブンズ(7人制)ワールドシリーズでオーストラリア代表としてプレー、「ジュニアプレーヤー・オブ・ザ・イヤー2009(年間最優秀ジュニア選手)」の受賞候補(4名)にノミネートされ注目を集めたオーストラリア期待の新鋭も、この日は後半途中からの投入とあって、試合の流れを変える決定的な仕事をするには至らなかった【慶應塾生新聞会】U20南アフリカ代表 vs. U20オーストラリア代表戦の後半、水飛沫を上げながらトライを決めるCTBニコラス・ハネコム。自陣20m付近で相手ラックからこぼれたボールを、南アフリカSHロス・クロニエが拾い上げ、CTBニコラス・ハネコムに繋がり、最後は彼がトライを奪取。後半開始からオーストラリアに傾きかけていたモメンタムを引き戻すには十分なプレー、このトライで試合の趨勢は決まった。「イングランドに(準決勝で)敗れた後、チームを整えることが難しかった。決勝戦でなく3位決定戦であったため、気持ちを高めるのが難しいと予想していたが、うまくまとめることができた。選手を、チームを誇りに思う」(CTBロベルト・エベルソン・南アフリカ代表主将)【慶應塾生新聞会】U20ニュージーランド代表 vs. U20イングランド代表戦の前半、イングランドCTBルーク・イーヴスのタックルを巧みにかわすニュージーランドCTBウィンストン・スタンレイ(写真右)。彼も前述のオーストラリアSHリチャード・キンギ同様、今シーズンの「年間最優秀ジュニア選手」の受賞候補にノミネートされていた。惜しくも受賞を逃したが、イングランドとの決勝戦でも攻守に渡り、持ち前の機動力を存分に発揮。後半15分には、イングランドWTBジョージ・ローを全力で追走、インゴール内でダイブしてボールを奪い取り、相手のトライを間一髪で防いだ。大会を通じて、「年間最優秀ジュニア選手」受賞候補の名に恥じない活躍ぶりであった【慶應塾生新聞会】
U20ニュージーランド代表 vs. U20イングランド代表戦の後半、ハイパントを蹴るイングランドSHデーヴィッド・ルーイス(写真中央、背番号20)。今大会、イングランドはA代表同様、自らのストロングポイントを「FW」に定め、スクラム、(ラインアウト)モールからパントを蹴り上げ、その繰り返しで徐々に相手ゴールに迫っていき、相手が焦れて反則を犯したらFBトーマス・ホーマーがペナルティゴールで〆る、というシンプルかつリアリスティックな戦法を採用し、予選プールから相手チームを次々となぎ倒してきた。ニュージーランドとの決勝戦も、「成功事例から大きくかけ離れることはない」 (マーク・メープルトフト・イングランド代表監督、17日の準決勝・U20南アフリカ代表戦後のコメント)と、正攻法で相手に立ち向かっていったが、やはり王者の壁は厚かった【慶應塾生新聞会】U20ニュージーランド代表 vs. U20イングランド代表戦の前半、今大会の総合得点ランキングでトップを獲得したイングランドFBトーマス・ホーマー(写真奥、背番号15)を抜きさるニュージーランドWTBザック・ギルフォード(写真右)。イングランドとの決勝戦でも2トライを記録。今大会通算8トライで、見事トライ王の栄冠に輝いた。だが、決勝戦後の表彰セレモニーの最中、この日試合観戦に訪れていた彼の父親が、スタンドで突然心臓発作を起こしそのまま帰らぬ人となった。彼がこの「悲劇」を乗り越え、選手として一層成長できるか、じっくり見守っていきたいと思う(弊紙としましても、ザック・ギルフォード選手ご本人、そして御家族の皆様に衷心より哀悼の意を表するとともに、ザック・ギルフォード選手の今後のさらなるご活躍を祈念しております)【慶應塾生新聞会】U20ニュージーランド代表 vs. U20イングランド代表戦の試合後、「年間最優秀ジュニア選手」の栄誉にあずかったSOアラン・クルーデン主将(写真中央、優勝トロフィーを掲げる選手)を中心に、表彰セレモニーで優勝の喜びを分かち合うニュージーランドの面々。「相手(ニュージーランド)は我々より集散が良かったし、プレーも非常にシャープでボールハンドリングの面も問題なかった」 (FLキャラム・クラーク・イングランド主将)。「FWが頑張ってくれたので、自分自身は落ち着いてプレーできた。BKとはコミュニケーションをしっかりとるように心掛けた」(アラン・クルーデン主将)。両チームの主将の言葉通り、ニュージーランドの選手たちの適確な状況判断、FW-BK間の高度な連携、味方のプレーに素早く反応しフォローに回る姿勢、何よりそれら一連のプレーを支える基礎技術(知識)の高さは秀逸で、最後まで対戦相手に牙を剥き続けた。「このトーナメントでは敗れてしまったが、上の代表レベルでもう一度カムバックしたいと思う」(マーク・メープルトフト・イングランド代表監督)。ピラミッドの頂点に立つ者は、いつだって追われる運命にある。ただ、今だけは優勝の余韻に浸っても良いだろう。本当におめでとう!君たちは強く、そして美しかった【慶應塾生新聞会】