ラグビーの関東大学対抗戦は12月3日に閉幕した。中盤戦を1敗で折り返た塾蹴球部は、明大に僅差で勝利したものの、今年1勝1敗の早大に力負け。最終立大戦に勝利したが、5勝2敗で去年に続き3位に終わった。優勝は全勝の早大で、六年連続19回目。これで早大は対抗戦での通算連勝記録を「43」とし(引き分け挟まず)、明大が十一年前に達成した42連勝を更新した。なお、今月17日からは大学選手権が開幕し、慶大は一回戦で関西リーグ3位の同大と対戦する予定。
▼十一月五日 ○
【慶大27―24明大】
『重戦車』復活の気配を見せている明大に対し、序盤から慶大はFW戦で劣勢に立たされ、なかなか敵陣でプレーできない。前半3分にはいきなりモールからトライを許してしまう。ここで奮起したのはバックス。FB小田(商3)のPGで3点を返すと、20分にはWTB中浜(環3)、25分にはSO川本(総2)がトライを決めるなどで早々に明大を逆転する。
しかし、明大も負けじと1トライ1ゴールで3点差とし、前半ロスタイムにはDGを決め、同点で折り返す。
だが、後半に抜け出したのは慶大だった。小田の左へ展開してのトライで勝ち越すと、22分には「ボールをもらった瞬間にいけると思った」というWTB山田(総3)が圧巻の90m独走トライを決める。その後明大は粘りを見せ、3点差にまで追い上げるが、FW戦で耐え続けた慶大が、ついに逃げ切った。
松永監督「(次の早大戦について)『打倒早稲田』は今季一番の目標。全総力を結集し早大に挑む」。
▼十一月二三日 ●
【慶大26―41早大】
春、夏のオープン戦で早稲田に勝てるという手応えはつかんでいた。実際、前半29分、FL青貫(環4)のトライで反撃し、ロスタイムにWTB山田が3人を振り切ってトライを決めて14―8とリードして後半を迎えた。
だが山田が「最初は気をつけようと話していたが、あれが痛かった」と振り返ったように、後半開始1分でトライを奪われ再びリードされると、勢いに乗った早大を止められず後半だけで5トライを許し、敗れた。
青貫主将は「前半は相手に向かって行けたが、後半は受けに回ってしまい、相手にみすみすボールを渡してしまった。自滅」と肩を落とした。松永監督は「相手を走らせすぎた。ロースコアの試合を狙ったが、6トライは取られすぎ。こういうゲームをしていたら勝てない」と厳しい発言。その一方で「4トライ取れたことは評価できる」と攻撃には納得のようだった。
なお、勝利した早大は対抗戦42連勝で対抗戦連勝記録に並んだ。
▼十二月二日 ○
【慶大91―7立大】
慶大は、WTB中浜が開始早々に右隅にトライを決める。以後前半だけで計5トライを奪う。22分にはモールを押し込んでトライを決めるなど、立大にセットプレーでの力の差を見せ付けた。31分には立大にトライを許したが、その後は堅いディフェンスを見せ、33―7で前半を終えた。
後半、慶大は主力選手を五人下げながらも怒涛の勢いで9トライ。大量得点で立大に付け入る暇を与えない。終始慶大が試合をリードする展開となり、今期最後の対抗戦を快勝で締めくくった。
本戦の一週間後に控えるジュニア選手権を意識してサブメンバーを多用したためか、「タックルに甘さが見られた」(青貫主将)が、「結果的にはよかった」と松永監督が答えるように、試合内容は全体的に満足のいくものであった。