入学後、新たな出会いと活動の場を求め、サークルに入ることを検討する新入生が多くいることだろう。慶大には様々なジャンルのサークルが存在し、活動規模の違いも幅広い。そんな中、ジャズに全力を注ぐサークルが存在する。ライト・ミュージック・ソサイェティ、通称ライトは日本で最も長い歴史を持つ学生ビッグバンドジャズサークルである。ライトは実力派ビッグバンドとして、昨年度には学生ビッグバンド界の登竜門、山野ビッグバンドジャズコンテスト三連覇を果たした実績を持つ。
ライトはジュニアバンドとレギュラーバンドに分かれている。ジュニアバンドは入部1、2年目の部員によって構成され、レギュラーバンドはオーディションで選ばれた部員によって構成されている。
3月10日、1年間の集大成であるリサイタルが行われた。このリサイタルをもって2年目の部員はジュニアバンドを、4年目の部員はレギュラーバンドを引退する。
部員たちはリサイタルに向けて練習に励む中、それぞれ思いや悩みを抱えてきた。大学までジャズの経験がなく慣れるまで苦労した部員や、コンテスト三連覇へのプレッシャーに悩んだ部員。また、楽器経験者がほとんどのライトに楽器未経験で入った部員もいる。牛田有紀さん(政2)はそのうちの一人だ。彼女は厳しい練習も仲間の支えがあって乗り越えられたと語る。ジュニアバンド引退となる今回のリサイタルで、彼女もソロを取り力強いサウンドを奏でた。
学生ビッグバンドは同じメンバーで演奏できるのが1年間だけだ。レギュラーバンドでバンドマスターを務めた鈴木涼馬さん(商3)は学生ビッグバンドを「夏の花火のはかなさ」に例える。涙ぐみながらも笑顔で演奏する部員たちの姿に花火が散ってしまう寂しさが感じられる。
先の長い大学生活、何かに打ち込める場所を自分なりに見つけてみよう。サークルは一つの選択肢だ。
(長岡真紘)
※記事中の学部学年は取材当時のものです。
[wds id=”37″]