1月13日、芝共立キャンパスにおいて、慶大薬学部がんプロフェッショナル研修会市民公開講座「コーヒーを飲んで延ばす健康寿命~コーヒーの『薬離学』~」が行われた。
この講座は、近年話題となっているコーヒーの持つ肥満、糖尿病、認知症、がんなどのさまざまな生活習慣病に対する予防効果について、最新の研究成果を交えて解説された。
当日は薬剤師などの医療関係者のほか、一般の方なども訪れていた。講演者である慶大薬学部衛生化学講座の田村悦臣教授は、コーヒーに関する専門的な内容から、ベーシックな内容まで幅広く取り扱いながらコーヒーを飲むことから得られるメリットを解説した。
日本において、生活習慣病は超高齢化社会に突入していることもあり、長期の投薬、そして多剤大量処方によって平成17年度の医療費の3分の1を占め、同じく平成17年度の死因別死亡割合のおよそ3分の2を占めている。これは日本の医療制度にとって大きな問題となっている。そんな中、コーヒーは生活習慣病を予防するとされ、医療界の新たな光とされている。生活習慣病のうちⅡ型糖尿病のリスクはコーヒー1杯で7%、肝臓がんは5杯以上飲むとそのリスクはおよそ24%まで減少するという。また、1日3~5杯のコーヒーを飲むことで、認知症、アルツハイマー病に対する予防効果が得られるそうだ。さらに、焙煎した豆は肥満に対する予防効果があるという結果が出ているそうだ。
最後に田村教授は、1日2、3杯のドリップ式の焙煎コーヒーを飲むことが大事であり、さらにカフェインを含まないデカフェインコーヒーでも同じような効果が期待できると語っていた。また、効果を高めるためにも砂糖やミルクなどは入れないほうがよいそうだ。