全体の傾向
2018年度、慶大一般入試の出願が先月22日に締め切られ、今月5日に志願者数が確定した。全体志願者数は、前年と比べて1554人減の4万3301人と昨年を下回り、4年ぶりの減少となった。
今年度の一般入試は今月10日の薬学部からはじまり、来月1日の医学部二次試験までの間、計12日間にわたって行われる。合格者は今月21日から来月5日にかけて順次発表される。全体の志願者数は減少し、4万3301人となった。
この減少について慶大入学センターは、現時点で志願者数が減少した要因は特定できないとした上で、「一般的に、近年合格者数を減らす大学が多く、受験生は浪人を避けるため、偏差値の高い大学や学部の受験を避ける傾向があり、その影響を受けたことも要因の一つと考えられる」としている。また、慶大の志願者においては、現役と浪人の比率について前年と大きな変化はないという。
学部別の分析
学部別に見ると、文系学部は全ての学部において志願者数が減少した。中でも、経済学部では志願者数が大幅に減少し、292人減の7131人となった。また、商学部は242人減の7015人、文学部は229人減の4820人と、それぞれ200人以上志願者数の減少が見られた。その他の学部においても、軒並み100人以上志願者数が減少した。
理系学部においては、理工学部の学門5を除いた全ての学部・学門・学科で、志願者数の減少が見られた。理工学部全体の志願者数は、186人減の9050人となり、医学部では53人、薬学部では155人志願者数が減少した。
また、理系学部と併願されることの多い経済、商学部のA方式でも、志願者数は減少している。このことから、今年度に限っては志願者数の減少は文系学部の方が多いものの、景気の回復に伴って、それ以前の理系人気が全国的に下火となっている状況は、現在も続いているといえる。
なぜ、理工学部の学門5のみ、志願者数が増加したのか。これについて慶大入学センターは、「近年、人気の高い情報系の分野に進みたい高校生が理工学部の学門5を選んだのではないか」としている。
今年度は、全学部においてインターネット出願が開始されて2年目となった。すでに多くの大学で導入されていることもあり、今年度も目立ったトラブルもなく出願受付期間は終了した。また、今年度から合格後の入学手続の一部がウェブ化されることとなり、入学手続者の負担が軽減されることとなった。