「入部した時からの夢が叶った瞬間で、本当に嬉しく、最高に幸せでした」。日本一になった瞬間、慶大女子ラクロス部主将の出原佳代子さん(経4)はこう感じたという。
女子ラクロスの全日本選手権大会決勝が先月17日に行われた。慶大は7―6でNeOに逆転勝利し、日本一に輝いた。
この試合前半は、相手のペースに飲み込まれ、3点ビハインドで終えた。そこで、出原さんは「最後まで走りまくって楽しもう」と選手たちに声をかけたという。
迎えた後半、開始直後に1点を取られたものの、慶大に流れが到来。この時の選手たちの表情をみた出原さんは「負ける気がしない」と感じたという。その言葉通り、圧倒的な運動量で慶大は相手を追い上げる。同点まで追いつき、先に1点決めた方が勝つ延長戦へ突入する。決勝点は、出原さん自らが決めた。「ボールを受ける前からいけると確信していた」と振り返る。主将として、全ての人への恩返しができたと話す。
見事日本一に輝いた慶大であったが、1年間順風満帆だったわけではない。ハードなトレーニングや同期内の対立など厳しい時期もあった。しかし、「このチームで日本一になりたいと全員が本気で思っていたからこそ、一つにまとまることができた」と出原さんは振り返る。辛い時期を乗り越え、「最強で最高のチーム」が作り上げられたのだ。
最後に後輩に向けて出原さんはこう語った。「純粋にラクロスを楽しんでほしい。楽しむために、辛いことから逃げず本気でラクロスと向き合ってほしい」。この言葉を胸に、来年度もぜひ日本一になってもらいたい。
(鈴木里実)