全日程が終了し、慶大は明大、早大と並ぶ同率2位で終えた。総得失点差数のために関東対抗戦3位扱いで大学選手権への出場権を獲得した。
4年ぶりに明大を破り、順調に勝ち進んできた慶大。待ち受けるのは、同じく4連勝中の帝京大だ。試合は28―31と惜しくも敗れたが大学選手権8連覇の絶対王者相手に3点差に迫る健闘ぶりだった。
慶大のキックオフで始まった前半。試合序盤敵陣ゴール前に攻め込むが、相手のディフェンスを突破できずトライにつなげられない。前半11分、帝京大のターンオーバーからの素早い展開に対応できず先制トライを許す。その後もクイックスローインからゲインを切られ14―0とリードを奪われる。しかし慶大も反撃に出る。パスを繋げWTB宮本瑛(経3)がトライ。帝京大に再び点差を広げられるが慶大も食らいつき、21―24で前半を終えた。
後半、拮抗したゲーム展開となり20分以上得点が入らない状態が続く。沈黙を破った帝京大が1トライを奪うが慶大も意地を見せ再びトライ。諦めずに攻めの姿勢を見せるが3点差の壁は厚く、王者を前に対抗戦初黒星となった。
続く試合は早大と対戦。この6年勝利から遠ざかっている慶大。明大戦勝利、帝京大戦で健闘した今年ならばと期待も高まっていた。しかし僅かに及ばず21―23で黒星を重ねることとなった。
試合序盤は両者ともキックの応酬が続く展開。前半12分慶大はSH江嵜(商3)がトライ、先制点を奪う。しかしペナルティゴールを2本決められ7―6で折り返す。
後半序盤は慶大のペースとなる。7分にPGを決められ逆転を許すが、11分にモールから薄くなったサイドにFL中村(文4)が走り込みトライし逆転する。24分にはFB丹治(政3)の独走を起点に攻め、最後はLO辻(文3)が押し込みトライ。キックも決まり21―9とし早大を突き放す。
リードを守りたい慶大であったが、早大の反撃が始まる。細かくミスのないパスによる早い攻めに圧倒され、立て続けに2本のトライを許し逆転される。最後は執念の攻めを見せたが得点できず21―23で惜敗。7年ぶりの勝利には一歩届かなかった。
迎えた青学大との最終戦。試合序盤から快調に飛ばした慶大は計19トライを奪い119―5で有終の美を飾った。
前半4分、FL永末(法4)の先制トライを皮切りに立て続けに得点を重ね青学大を大きく引き離す。途中1トライを返されるものの、53―5で前半を終える。後半も慶大の猛攻が続き、追加点を許すことなく大差で快勝した。
3カ月にわたる激闘の末、慶大は5勝2敗で対抗戦を終えた。大学選手権への出場権を手にした慶大は、今月16日に立命館大との初戦を迎える。彼らの目標は大学選手権での優勝。全国一の目標を達成のためスタート地点に立ったばかりだ。
(高井日菜子・藤咲智也)