全塾協議会塾生代表選挙が告示された。投票期間は今月18日から22日までの5日間で、日吉、三田、SFC、芝共立、信濃町の各キャンパスで投票できる。塾生代表は、塾生の意見を協議会の運営に反映する役割を期待されて昨年新設され、今回が二度目の選挙となる。
塾生代表の主な仕事は、全塾協議会所属団体の予算の承認だ。全塾協議会には体育会や三田祭実行委員会をはじめとして、塾生生活に直結する多くの所属団体があり、各団体は協議会から交付金を得ている。この交付金は、全ての塾生から学費の一部として毎年徴収されているものだ。塾生代表には、協議会で議決された予算案を承認する権限がある。
そのほか、月に一度の議会の招集、所属団体の代交代の承認も、塾生代表の業務だ。緊急時に議会を招集せずに案件を処理することもできる。塾生代表には大きな権限が与えられており、多くの塾生の投票が望まれる。
しかし、昨年度選挙の投票率は11.77%であり、今年も投票率の低さが懸念されている。協議会の規約では、投票率が10%を切ると、再選挙が行われる。それでも不成立となれば、協議会そのものが招集不可能となる。選挙管理委員会はSNSを活用して広報活動に取り組むほか、投票所の確保や告知はがきの郵送を徹底し、投票率向上に腐心している。
また、昨年度選挙では、芝共立、信濃町における不正疑惑が浮上し、選挙運営の健全性が疑問視された。今回の選挙では、徹底した再発防止策も求められている。
今回の全塾協議会塾生代表選挙には、山隈一久さん(経3)と南昇吾さん(政2)の2名が立候補した。
山隈さんは、塾生と協議会の距離を縮めて塾生の意見を集約できる体制を整えるため、SNSの活用や活動レポートの作成など、広報活動と広聴活動に力を入れていくとしている。また、協議会の事務局員を3年間務めた経験から、塾生代表制度や現行の議員制度の見直しの必要性も訴える。そのほか、大学とより密なコミュニケーションを図り塾生の意見の反映に努めるほか、これまで関係の弱かったSFC諸団体の活動もサポートしていくという。
一方、南さんは具体的な3点を公約に掲げる。1点目として、一般学生の大学スポーツへの関心の薄さを鑑み、マイナースポーツも含め体育会各部の早慶戦を総合的に盛り上げていく構想があるという。また、大学と交渉して講義の動画配信を順次実現し、キャンパスをまたいで自由に受講できる環境を整えるとしている。3点目には「社中協力」の理念を踏まえて、SNSを活用して塾生と塾員が交流できる場の構築を掲げている。以上を通して、「良い伝統を残しつつ、古い慣習を見直すきっかけにしたい」と語る。
山隈さんの公約 |
南さんの公約 |