慶應連合三田会大会が先月15日、日吉キャンパスで開催された。当日は雨が降り続く中、塾員を中心に多くの人が訪れ、賑わいを見せた。今年度の大会テーマは「若き血を胸に、未来へ」。社会で活躍する塾員が、若き血を胸に新たな未来へ歩み出す大会にしたいという想いが込められた。

連合三田会大会は日吉記念館にて執り行われた記念式典で幕を開けた。記念式典には招待された卒業50年目の塾員に加え、多くの卒業生が足を運び、司会は塾員である日本テレビアナウンサー藤井貴彦さん、根本美緒さんで進められた。

今年の大会でも多くの模擬店が出店され、日本各地から全1‌0‌0店舗以上が出店した。今年はあいにくの雨の中も多くの来場者が模擬店を楽しんだ。今年の目玉は、肉マイスターとしても有名な田辺晋太郎さんの呼びかけによって初開催となった「連合MEAT祭」であった。田辺さんの呼びかけにより予約を取ることの難しい店が集結した。

また、松田丈志さん、安藤美姫さん、塾員の立石諒さんや海堀あゆみさん(総2)などのアスリートらによって、2‌0‌2‌0年の東京オリンピックをどう楽しむかについての対談も催され、満員の中ユーモアも混じりながらの和気あいあいとした雰囲気の中で行われた。

さらに、塾生主催の企画も行われた。薬学部の塾生主催で、起業や留学、研究に携わる医学部、薬学部、看護学部、理工学部の学生4名が「医薬看理の今」というテーマで学生生活についてのパネルディスカッションを行った。日本と海外の学生団体の活発さの違いや雇用する側の視点などについて議論がなされた。登壇した塾生らは、海外の学生団体には日本とは比べものにならないほどの投資がされていることに触れ、「学生の意識を外向きにしたい。」と語った。また、「医療系学部の学生には、実際に患者の方とコミュニケーションを取る機会が与えられているので、とてもありがたい環境だと思って過ごしている。」との意見も出された。卒業生からは「リアルな学生の発言に驚いた」などの声があがった。

歌とダンスでAEDを学ぶ

連合三田会大会では、AEDによる救急法を歌と踊りで子供や学生にも身近に感じてもらおうという催しも行われた。

この催しに向けて、AED啓発活動をしている川口真実さん(看4)を中心に、慶大の全6キャンパス54か所のAED設置場所を総勢75名の塾生と一緒に歌って踊って紹介するAED啓発プロモーションビデオが制作された。当日は川口さんと一緒に踊るコーナーが設けられ、多くの子供たちで賑わった。

今回の催しについて川口さんは「歌って踊った後にAEDを実際に使ってみるコーナーがあるため、AEDの使い方を根強く覚えてもらえたのでないか。AEDは日本全国に約50万個あるものの、その設置場所はあまり知られていない。今回ビデオ撮影に参加した人だけでなく、ビデオ見て頂いた人も、AEDに興味を持って欲しい」と話した。

また、慶大医学部の佐々木淳一教授は「AEDは医療従事者だけが知っていればいいものではない。AEDというものがあるということ、そしてAEDをちゅうちょなく簡単に使うことが出来ることを知ってもらえたことはすごく重要なこと」と述べた。

現在の日吉記念館は今回の連合三田会大会を最後に、その約60年間の歴史に幕を閉じる。大会の最後には、日吉記念館にて「若き血」を熱唱するグランドフィナーレが行われ、大会を締めくくった。
(福井一玄、金森悠馬)