「関東一部リーグ昇格」を目標に掲げ、「覚伍」のもと慶大の関東大学バスケットボールリーグ戦が始まった。ここまで6試合を終え、1勝5敗で8位と厳しいスタートとなった。

第1戦 対駒大

初戦となった駒大との試合では、第1Q序盤、シュートが決まらず苦しい展開となる。しかし、原(環3)や鳥羽(環3)が3Pを決め、19―15でリードして第1Qを終える。

引き離したい第2Qだったが、開始早々駒大に追い上げを許す。しかし、木村(環4)が着実に得点を重ね、リバウンドも積極的に取るなど慶大は勢いを取り戻し、34―32で勝ち越しのまま前半を終える。

迎えた第3Q、度重なる慶大のファールでなかなか差をつけられない。2点リードのまま迎えた最終第4Qは駒大が連続で3Pを決めるなど逆転を許し、71―78で試合を終え、初戦黒星発進となった。

第2戦 対神大

神大との第2戦は、終始一方的なゲーム展開となり、53―73と大差で敗北した。慶大は初戦からスターティングメンバーを変え、アウトサイド主体のメンバーで試合に臨んだ。

しかし、オフェンスではボール保持者以外の動きが止まり、パスを回すことができず、シュートを打てない場面が多く見られた。途中、鳥羽、原、山崎(総2)がそれぞれ3Pを決めるも、この試合全体的にシュート本数の少なさが目立った。また、ディフェンスでは一対一で抜かれ、カバーに行ったところにパスを回され、失点する場面が多くあった。

第3戦 対中大

第3戦は中大との対戦。慶大は第1Qから積極的にゴールを狙うも決めきれない場面が続く。対して中大に着実に得点を奪われる悪い流れで第1Qを終える。盛り返したい慶大は第2Q中盤に木村、髙田(環2)を中心に相手のミスで得たチャンスを活かして連続得点を重ね、一時は14点あった得点差を1点まで縮め35―36とする。さらに第3Q開始直後に山崎の3Pでついに逆転する。

このまま突き放したい慶大であったが、中大の高さのあるリバウンドに苦しみ点数を伸ばせず、終了時には7点差をつけられてしまう。最終第4Qでは巻き返しを狙うも、第2Qで見られた勢いを出すことはできず、62―74で敗れ、リーグ戦3敗目を喫した。

第4戦 対日体大

第4戦は日体大と対戦し、1‌0‌1―52と惨敗した。日体大の高さ、そしてシュート力に圧倒された試合であった。

それでも第1Qは、中と外でパスが回せており、テンポのいいオフェンスを見せる。またディフェンスがよく、ミスを誘い得点につなげる。しかし、日体大の高さを前に、リバウンドが取れない。スクリーンアウトはしているものの、上から奪われてしまう。その結果、慶大はシュートが単発となり得点を伸ばすことができない。

一方、日体大は3Pがよく決まり、チーム全体で9本をしずめた。また高さを生かした攻撃で、インサイドからも得点を重ね、慶大を突き放す。この試合、地力で勝る日体大を前に敗北を喫した。

第5戦 対順大

続く第5戦の順大戦は、後半に順大の猛攻を受けるも93―75でなんとか逃げ切り初勝利をあげた。

第1Qは前半、慶大ペースで進んでいき一時は20点差が開いたものの、終盤にミスを連発し27―11で終える。続く第2Qは25点まで差を広げたが順大に隙をつかれ点差を縮められる。その後落ち着きを取り戻し57―28という大差で終える。
第3Qは均衡した展開でお互いに点を取り合い慶大のリードが少々縮まる形で終了する。

最終第4Q、順大は最後の粘りを見せ積極的に3Pを狙っていき一時は12点差まで縮め波を掴みかけたが慶大が貫録を見せ93―75で初勝利となった。

第6戦 対国士館大

第6戦、前日からの連勝を目指す慶大は国士舘大と対戦し、連勝を目指したが69―72で惜敗した。前半、慶大は高橋を中心にリバウンドを支配し、5連続得点など着実に点を積み重ねるが、ターンオーバーやファウルトラブルからリズムをつかめず、前半終了間際に追いつかれる。

主導権を握りたい慶大だったが、後半開始早々前半のキーマンであった高橋が退場する。しかし鳥羽と高田らがアウトサイドからの攻撃が決まり、2点リードで第4Qを迎える。

しかし、国士舘大にリバウンドを支配される苦しい展開となり逆転を許す。流れを引き寄せたい慶大は終了間際、原が3Pを決め必死に食らいつくが、最後までリードを奪えず、今季5敗目を喫した。

総評

ここまでの戦いで、慶大の課題は得点力不足である。6試合の総得点は、10チーム中9位と出遅れている。原因の一つに、アウトサイドの確率が思うように上がってこないことがあげられる。また、ボール保持者以外の動きが少なく、インサイドも使えていないため、ディフェンスを動かすことができていない。

キャプテンが高橋となり、アウトサイド主体のチームになった慶大であったが、まだまだ機能しているとは言えないだろう。今後慶大がオフェンスのリズムを取り戻すことができるかが復活へのカギであろう。
(鈴木里実)