近年に類を見ない大混戦となった東京六大学野球春季リーグ。今世紀初の優勝を飾った立大にあと一歩及ばず、慶大は2位に終わった。
 
今季は、選手・監督ともに「チーム力」を掲げた。特に投手陣はリーグ戦出場経験が少なく、先発と継投陣は「つなぐ投球」を求められた。
 
昨季は、慶大が勝利した8試合中6試合で加藤拓が勝利投手となった。しかし今季は、菊地(政3)、髙橋佑(環2)、髙橋亮(総2)、関根(環1)がそれぞれ2勝を挙げた。先発のみならず、リリーフの踏ん張りが数字に表れている。 

一方で、投手陣が精彩を欠いた場面の多くは、味方が得点した直後の回に見られた。打線の援護に満足せず、先頭打者を手堅く抑える意識を強化する事で、優勝への「あと一歩」を詰めることができるだろう。
 
野手は郡司(環2)、清水翔(総4)、倉田(法4)、岩見(総4)の4選手がベストナインにいずれも初選出された。1試合を除き、メンバー・打順ともに全く同じ布陣で臨んだ今季。どんな形でも出塁でつなぐ、というチームプレーが、個々の成長に結びついた。
 
一人が攻守を背負い込む必要がなくなり、戦い方は大きく改善した。秋は強固になったチーム力で初戦からぶつかるのみだ。
(広瀬航太郎)