法律討論会を皆さんはご存じだろうか。問題が1問与えられ、それを論者が論旨を作成・発表、他大学がそれに対し質問する形式で討論を行う。この立論と質問を裁判官や検察官などの試験官が採点し総合点を加味して優劣を競う。自身が持つ法律知識や論理力の総力を尽くし論旨に説得力を持たせる。まさに「知の体育会」と言える。
 
今回の討論会、第19回新島襄記念法律討論会(以下新島杯)は1年生限定の出場で、同志社大学で2‌0‌1‌7年3月11日に行われた。新島杯の奪取を目指し全国から優秀な大学が集結する。慶大からは、律法会が代表に選出され、質問の部で西村玲海さん(法1)が優勝、太田竜司さん(法1)が3位に入賞し、チームの部として慶大が2位となった。チームの部の優勝は早大だった。

今回は、新島杯に出場した西村さん、太田さん、有村友太さん(法1)に話を聞いた。

「高校からディベートに打ち込んでいたため、思考力を使って論理的に立論するのに親しみを感じたのが出場した理由です」と有村さんは語る。

出場するのが全員1年生ということで知識不足はどうしても否めないと思うが、1年生が出場する意義はどこにあるのかと尋ねると、新島杯の勉強を1年生がすることで来年の末川杯(正式名を末川杯争奪法律討論会と呼び、毎年10月下旬に立命館大学で行われる)に向けた勉強も兼ねることが出来るそうだ。先を見据えた戦略的な一面が垣間見える。また、他大学も1年生限定の出場となるため、勉強量がものを言い、努力が反映されやすい。そのため、下準備として春休み期間を利用しほぼ毎日10時から17時までメディアで資料集め・論題の練習の積み重ねをしていた。時には、12時間もメディアに籠ることもあったそうだ。

チームの成績については、2位という堂々たる好成績を修めたが前年の代では優勝をしている。そのため悔しい結果と受け止めているそうで秋の末川杯で雪辱を晴らそうと闘志を燃やす。

チームの良かった点として西村さんは、「全員同学年で主体的に動け、全体としてのまとまりがみえたこと」とする一方、反省点としては「スケジュール管理が曖昧で個々人のやる気の幅が大きくなってしまったこと」と冷静に分析する。

討論会に関わらず、法律と聞くと堅苦しいイメージが付き纏う。確かに法曹志望は多いが、実際は殺伐とした印象はなく、分かりやすさを主眼としているという。春からの挑戦として討論会の世界、論理の世界はどうだろうか。
(好村周太郎)