先月2日、慶大三田キャンパスにて「慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)」設立シンポジウムが開催された。シンポジウムでは清家篤塾長と駒村圭吾KGRI所長の挨拶から始まり、国際化奨励賞授与、記念講演、パネルディスカッションなどが行われた。

KGRIは慶大のグローバル化を推進すると共に、世界に貢献する研究大学としての基盤となるため、咋年11月1日に創設された。その主軸は学内の各研究教育分野の横断・融合であり、「長寿」「安全」「創造」の3つのクラスターから構成される。クラスターリーダーとして「長寿」の岡野栄之医学部教授、「安全」の大石裕法学部教授、「創造」の青山藤詞郎理工学部教授がそれぞれ着任した。   

駒村所長は、KGRIは「『Unfinished project』であり、常に変化と成長を続ける『Tapestry』のようなものだ」と語る。そして、3つの方針として「研究の実効化」「研究の可視化」「学際的な新しい研究プラットフォームの開拓」を挙げ、「まずは何かを語り、考え、情報を共有しよう」と呼びかけた。分野を超えた研究者が一同に集まるという意味で、KGRIは非常に価値のあるプロジェクトだ。

グローバルな大学を目指すには研究者だけでなく、若手や学生の育成、さらにはスタッフの充実を図る必要がある。真壁利明常任理事は閉会挨拶で、「知の蓄積、卓越した人材、ユニークな環境、そして資金を兼ね揃えた『大学エコシステム』を創るということが研究大学の使命である」と結んだ。柔軟で革新的な研究の場となることが期待される。