大学院校舎をのぼると、華麗なメロディが聞こえてくる。慶應が誇るアカペラサークル、WALKMENのライブである。今回のライブでは200組を超えるバンドが毎日様々な曲を披露している。
このサークルでは、三田祭にむけて9月の合宿頃からバンドを組んで練習をしている。1つのバンドは5~6人で結成されており、バンドは曲の好みに合わせて学年・性別を問わず結成される。メンバーの中には歌や楽器などの経験がある人もいるが、大学からアカペラに興味を持ち、このサークルに入会した学生が多い。野坂駿介さん(商2)は「中学生のときにテレビで芸能人がアカペラを披露する番組を見て、自分も大学生になったら絶対にアカペラサークルに入って歌いたいと思っていた」と話す。アカペラをする上で気を付けていることを尋ねると、協調性を持つことと体調管理であると答えてくれた。人間関係が乱れてしまうと歌声も乱れてしまうと考えられているため、グループ内で積極的にコミュニケーションをとり、お互いが協調性をもつことを意識しているそうだ。また、体調管理についてはのどを使った活動であるため、水やのど飴はメンバー全員が持ち歩くようにしている。またライブが開催される前には、喉にいい食材を食べるようにしたりと健康状態には特に注意を払っているそうだ。
最後にアカペラの魅力を尋ねた。野坂さんは「1番は楽器を使わずに声だけでつくる音楽であること」と語る。聞いているお客様には気づいていただけなくても、発音や言葉の言い方、リズムをそろえることを意識することがすごく楽しいと感じるそうだ。一つの音楽を繊細かつ丁寧に作り上げることが醍醐味であると語った。
バンドメンバーひとりひとりが真剣に歌う中にも、お互いに視線や笑顔を交わすなど仲間たちと歌うことを全力で楽しんでいる様子が感じ取られた。大学生が織り成す素敵なハーモニー、みなさんもぜひ足を運んでみてはどうだろうか。
(高橋千瑛)