2008年度、慶大体育会は「飛躍」の年であった。2部から1部への昇格を果たしたソッカー部とバスケ部。5季連続の3位から脱出した野球部など。今年度の慶大体育会を振り返ってみる。
―ソッカー部
11月26日に行われた東洋大戦で慶大ソッカー部は快勝し、見事、2部リーグ制覇を成し遂げた。前期を首位で折り返しながらも昇格を逃し、失意のシーズンを過ごした慶大ソッカー部を2部優勝まで導いたのは思い切った戦術変更だった。前年までの守備重視の戦術から一転して、人もボールも動くサッカーを目指し、中盤以降は昨シーズンまでの面影を全く感じさせないチームにまで変貌した。前半戦MVP級の活躍をし、新人賞を受賞したMF河井。1年でレギュラーの座をつかんだ両SB田中奏と黄。そして、今期湘南ベルマーレから加入して攻撃の舵を取った3年MF中町。新戦力が次々と活躍し、連動したパスサッカーを展開する慶大にもはやついていけるチームは2部には存在しなかった。来季は大河、巻、淺海といった攻守の要が抜け、さらに厳しい1部での戦いが待っている。2002年の悲劇を2度と繰り返さないためにどうすべきなのか、浮かれることなく、しっかりと分析して、今度こそ名実ともに「1部のチーム」になってもらいたい。
―野球
春季3位、秋季2位と惜しくも優勝まで届かなかった慶大野球部。シーズン通して相澤、中林両ピッチャーは奮闘したもののここ一番で打線が打てないというケースが目立った。結果的に秋季は明治の牙城を崩して2位とはなったものの、まだまだ早大との実力差はある。来季も、打線の奮起が鍵を握るだろう。一方で、明るい話題もある。キャンプまでベンチだった小野寺が春季リーグ戦で首位打者を獲得するまでに成長。さらに来季は慶應高から田村が上がってくる。エースである中林も健在で、選手それぞれが個々の力を十二分に発揮すれば、9季ぶりの優勝も不可能ではないはずだ。
―バスケ部
昨年度、屈辱の2部降格に終わり、1年での1部復帰を誓った慶大バスケ部。終わってみれば、早慶戦勝利、1部復帰、インカレ優勝とチームで掲げた目標をすべて達成し、見事復活を遂げた1年だった。来季は、1年間チームを引っ張った鈴木主将が抜けるが、主力はほとんど残留。ここからさらに戦力の上積みをして慶大の黄金時代を築いてもらいたいものだ。
―ラグビー部
春のオープン戦で全勝し、充実のシーズンインを迎えた慶大蹴球部。しかし蓋を開けてみれば、対抗戦4位、大学選手権1回戦敗退と不本意なシーズンを送ってしまった。来季は今季の反省を生かして、奮起を期待したい。
―ラクロス部
男子ラクロス部は関東学生王者に返り咲き、全日本選手権大会でも決勝まで勝ち進むといった躍進を見せた。一方女子も、史上初の関東ラクロスリーグ戦決勝進出を果たし、男女共に来季に期待を抱かせる結果となった。
(飯田拓也)