―これからリーグ後半戦。大学最後のシーズンであり、プロ内定者という見られ方があると思いますが、個人としてどう臨みたいですか
宮地「自分のプレーで圧倒してストロングポイントを出すということが一番チームのためになり結果につながると思うので、注目されるとは思いますが、自分がなにか新しいことがいきなりできるわけではないので、今まで通り自分がやってきたことを出して、個人として僕は役目を全うしたいなと思います」
溝渕「同じく、プロ内定という看板を背負いそのように見られるのはもちろん当然で、しかしそれは僕らの問題ではないので今まで通り役目をこなして、元貴が言ったように何ができるのか、何をしなければいけないのかを考えていきたいです。
それはどうチームを勝たせるかというところに行きついて、4年生として自分のプレーをして勝利に導くというのは当然のことです。そこにプラスしてチームのためにできるプレーが必ず起こってきてそれがないと個人よがりのサッカーになりますし、僕らがまず先頭に立って完成させていくということは大事だと思うので、そこだけは絶対忘れないようにしたい」
―チームとしても最後のシーズンを迎えての気持ちは
溝渕「最後、残りの11試合とインカレですべてを出し切れればいいし、苦しいことも乗り越えた同期と共に過ごせる最後で最高の時間、プロの世界にはない利害関係ない純粋な思いがここにはあると思います。それを味わって最後そこに目標であるリーグ優勝を結びつけられるようにひたすら悔いなく頑張りたいなと思います」
宮地「今年のチームのキーワードは『チームワーク』で、溝も言ってましたが自分のプレーを最大限出すなかで、例えばミスを相互に補えるような、チーム一丸となって戦うことが大事だと思います。
もちろん目標を関東リーグ優勝と据えていますが、一試合一試合なのでまずは初戦の日体大戦に必ず勝つということしか考えてないです。そこから試合が終わったら次の試合を考えればいいし、僕たちがこの3年半やってきたことは全く間違ってない、最後に笑うのは僕たち慶應だと思っているので、一日一日を噛みしめて学生生活を楽しみたいです」
―プロとしての目標はなんですか
溝渕「具体的に自分の人生設計でプロをできる年数を考えると、サッカー選手でアスリートである以上、日の丸は絶対に付けたいという目標があります。また、海外に出てサッカー選手としてチャンスに挑戦し、名前を全員に知られるような選手になりたいです」
宮地「僕はいま名古屋グランパスの特別指定選手で半分プロみたいな状況ですので、今シーズンは慶應での結果を求めると同時に、特別指定選手という立場である以上はどういう形であれ名古屋グランパスの力になる責任があると思うし、来季以降入団するなかでもまずは名古屋の絶対的な選手になって、タイトルを取れるように目標にしていきたいと思います。そしてその先に幼いころからの目標でもある、日の丸をつけて代表として戦うことがあると思います。実際に同年代で一緒に高校にいた人も日本代表になっているので、そういう人たちには負けたくないですし、僕が大学で過ごしてきた4年間はそいつらに負けてないと思うので、プロの世界で僕も『宮地元貴』という名前を皆に知ってもらえるように日本を代表する選手になりたいと思っています」
―最後に、これからプロを目指していく人たちへのメッセージを
宮地「なったばかりでそういう立場ではないと思っていますが、結局はその選手を評価するのも自分を評価してくれるのも自分をクラブに連れていってくれるのも人なので、やはり人とのつながりは常に大切にしていかなければならないと思うし、個人の関係が広いようで深い世界なのでいつどこでまた一緒にサッカーをすることになるかわからないし、人とのつながりを大切にすることがとても大事だと自分の経験を通して感じました。いつどこで誰が見ているかもわからなくどこにチャンスがあるかもわからないので、常に自分の全力を出すのは間違いなく大事ですね」
溝渕「一つは人との出会いを大切にすることです。人の考えなどを大事にして自分に落としこんで考えられるような人にならないといけないし、自分以上に人のことを大切にできる選手は、サッカーに限らず社会でも大事なことで、今プロを目指している人には、人を大切にして周囲に気を使うことは大事で意識してほしいです。
僕も今回千葉に内定が決まりましたが、千葉の強化部にいる方が、僕が中3の時に流経大柏にスカウトしてくれた方で、コネクションではないですけど縁がどこかにあって、そのことは光栄で一緒に仕事ができるのは幸せに感じています。なので、宮地が言ったように、本当に広いようで狭い社会ですし、必ず巡り合って自分に返ってくるといった意識を持って生活、プレーしていくことは大事だと思います。
もう一つは、目の前のことに負けないことが大事です。100回勝負して100回勝てる選手はプロでもありえないですけど、その負けた1回、2回にこだわらないといけないし、負けたことを恥ずかしいと思わなければいけないです。負けることに慣れている選手はプロにいれないし勝ち上がっていけないので、勝ちへのこだわりは絶対持ち続けないといけないなと、自分はこういう道を歩んできてすごく感じました」